校長室から―未来育む札幌の学校― 「通いたくなる学校」に 市立札幌北翔支援学校
(札幌市 2024-06-19付)

山田浩富校長
山田浩富校長

―わが校の強み

 本校は平成16年に豊成養護学校中学部と高等部を合わせ、肢体不自由とそれ以外の重度の障がいが重複する子どもが学ぶ学校として開校しました。平成28年度には小学部が併設されて小・中・高の3学部がそろった学校になり、前年度開校20周年を迎えたところです。

 障がいが重く、医療的ケアを必要とする子どもも多いことから、本校には教員のほかに理学療法士や作業療法士、介護員、学校看護師、調理員などが配置されているほか、子どもの主治医やサポート医師、福祉事業所など関係者・機関と連携・協働しながら教育活動を進めています。

―児童生徒の成長に向けて

 3学部の連携による一貫性や連続性のある教育の推進に努めています。また、学校教育目標「自分らしく 心豊かに 暮らす」を踏まえ、6年度は重点目標・テーマとして「通いたくなる学校」を設定し、つぎの三つを学校運営方針とした取組を進めています。

 ①魅力ある授業・行事の創造②安全・安心な学校体制の構築③専門性の高い信頼される職員集団を目指して―。

―授業づくりの工夫

 多職種との協働によって「からだづくり」(自立活動Ⅳ)など一人ひとりの教育的ニーズに応える授業づくりに努めるとともに、本校独自の通年利用が可能なプールや「探索」「リラクゼーション」の意味を兼ね備えるスヌーズレン室などを効果的に活用した授業づくりを進めています。

 また、個々の体験や地域の方々などとの関わりを広げる学校行事や、近隣校、地域学習校の子どもたちとの交流および共同学習は、児童生徒の経験の幅を広げ、社会性や豊かな心を育てる絶好の機会となっています。

―教職員への思い

 障がいの重い子どもたちに対して、一人ひとりの職員が子どもたちの声なき声に耳を傾け丁寧に関わっている姿は、札幌市が学校教育の「基盤」と位置付けている人間尊重の教育に通ずるものと考えます。

 今後は、職員個々の主体的な学びによって、さらに肢体不自由教育を中心とした専門性の向上が図られるものと大いに期待しています。

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北翔支援・スヌーズレン室
スヌーズレン室

(札幌市 2024-06-19付)

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