札幌らしいCSの取組〈上〉 地域と持続可能な活動を 地学協働本部を3校合同に
(札幌市 2024-06-18付)

星置中CS・あいさつ運動
小中一貫した教育として実施した生徒会・児童会合同のあいさつ運動

 札幌市立小・中学校、義務教育学校で順次導入が始まった“札幌らしい”コミュニティ・スクール(CS)。「小中一貫した教育」「子どもの声を学校運営に反映させる」をキーワードに、家庭・地域と共にある学校づくりの一層の推進を目指す。本年度導入した7パートナー校区15校のうち、本紙では、星置中学校区と星友館中学校の特色ある取組を取材した。

◆星置中校区

 星置中学校区(星置中、手稲北小学校、星置東小学校)には、従前からパートナー校や地域と連携した活動が根付いていた背景がある。

 5年度は、中学校陸上部顧問が小学生を指導する「走り方教室」、生徒会・児童会合同のあいさつ運動、小学生の中学校訪問など、小中一貫した教育に関わる12事業を展開。

 星置中と手稲北小ではそれぞれ地域学校協働活動を推進し、外部講師を招いたキャリア教育などに活発に取り組んできた。

 導入に当たって星置中の豊村和史校長らは、こうした既存の取組を基本に、小中一貫した教育や地域との協力関係を深めるCSとする方針を打ち立てた。

 意識したのは「無理をしない」こと。豊村校長は「教職員の新たな負担とならず、持続可能な活動にしたい」と話す。 

 学校運営協議会委員には、3校の校長、地域学校協働本部の会長とコーディネーター、まちづくりセンター所長、連合町内会長2人の計8人を選定。

 市の学校運営協議会規則をみると、中学校1校、小学校2校の中学校区の場合、委員数は20人以内と定めているが、必要最低限の人数に絞った。スムーズな熟議につなげること以外にも「今後、キーパーソンとして期待できる人が現れた時に、関われる余地を残しておきたい」(豊村校長)とのねらいがある。

 5月と翌年2月の年2回開催を基本とし、必要に応じて適宜、課題解決に向けた熟議の機会を設定する。1回目に各学校の基本方針の承認と各種事業の説明・共有、2回目に評価を行う。

 豊村校長は「毎年各学校で行っていた年度当初の教育課程等説明会、年度末の学校関係者評価を3校合わせてするイメージ」と語る。

 また、地域学校協働活動との一体的な推進を図るため、これまで2校にあった地域学校協働本部を3校合同の「みずばしょうクラブ」に一本化した。6年度実施する18事業のうち、星置中単独で実施していた「みずばしょうコンサート」「絵本と音楽の集い」の2事業を小中合同事業に移行する予定だ。

 5月中旬に開いた第1回協議会では、出席した委員から「学校がどのような活動をしているか勉強になった」「困ったことがあれば気軽に相談してほしい」など心強い声が寄せられた。

 豊村校長は「地域と共に、一体感を持って子どもを育てる環境にしていきたい」と期待する。

(札幌市 2024-06-18付)

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