道教委と道高Ｐ連が教育懇談会　生成ＡＩに懸念の声　ＩＣＴ活用の授業改善等協議

（道・道教委 2024-07-09付）

道教委・道高Ｐ連の教育懇談会

　道教委と道高校ＰＴＡ連合会（道高Ｐ連、村井為敦会長）の教育懇談会が５日、ホテルポールスター札幌で開かれた。道教委の各課担当者が高校教育に関する各種施策について情報共有。ＩＣＴを活用した授業改善や不登校生徒への対応などについて話題を提供した。道高Ｐ連の出席者からは、生成ＡＩの活用で子どもたちの考える力が低下してしまうことを懸念する声が上がり、学びの中で子どもたちの興味・関心が深められるような探究学習を一層展開するよう求める意見などが出された。

　この日、道高Ｐ連からは村井会長をはじめ、役員７人、道教委からは各課の課長補佐や係長、主査、指導主事らが参加した。

　はじめに、ＩＣＴ教育推進課の鈴木亮介課長補佐が道内におけるＩＣＴの活用状況等について説明した。

　鈴木課長補佐は、急速化する人口減少、少子高齢化問題等に触れ、高校生が社会に出た際に必ず必要となる情報活用能力を育成する重要性を強調。また、教育分野における生成ＡＩ活用の方向性について、道内における小学校やリーディングＤＸ指定校における生成ＡＩを活用した授業・研究実践事例を示し、保護者としての学校における生成ＡＩの活用についての認識をただした。

　道高Ｐ連の役員は、生成ＡＩの活用で子どもたちの考える力が低下することを懸念。「便利なツールを使って何を学ぶかという“学びの意義”を直接子どもたちに伝えることが大切。今後も、学びの中で子どもたちの興味・関心が深められるような探究学習をもっと授業で取り入れてほしい」と意見した。

　生徒指導・学校安全課所管では、不登校児童生徒の支援や自殺予防教育、性の多様性、ヤングケアラー、学校安全における現状と課題等を共有。

　うち不登校支援では、本年度作成したＨＯＫＫＡＩＤＯ不登校対策プランにおいて「不登校によって学びや支援にアクセスできない子どもをゼロ」にすることを目指していることを伝え、学校の風土を“見える化”し、みんなが安心して学べる学校づくりに取り組んでいることなどを紹介した。

　このほか、高校におけるコミュニティ・スクールの現状や高校生の就学支援制度、学校の暑さ対策、地学協働の取組について情報提供した。

　最後に、村井会長は「本日説明いただいた各種教育課題は、学校だけでは解決できない問題」と強調し、今後、保護者の立場として道教委に協力していく考えを表明。「次年度以降もこのような機会を設けていただき、会として様々な課題について勉強させていただければ」と謝意を示した。

(道・道教委 2024-07-09付)