北の専門高校ONE―TEAMが会合 静内農高産学連携 ノウハウを普及 道教委 持続可能な連携へ(道・道教委 2024-07-10付)
北の専門高校ONE―TEAM会合
道教委は8日、北の専門高校ONE―TEAMプロジェクトキックオフミーティングを札幌市内の道第二水産ビルおよびウェブ会議システム併用で開催した。事業概要や静内農業高校におけるマイスター・ハイスクール事業の成果、専門高校と産業界のサステナブル(持続可能)な連携の在り方などについて共有。今後、静内農業高が取り組んできた産学連携のノウハウを道内の専門高校に普及・拡大していくことを確認した。
同プロジェクトは、文部科学省の採択を受け、本年度から実施するもの。マイスター・ハイスクール事業で静内農業高が構築した職業人材育成システムを道内の高校に広く横展開するとともに、産業界と高校の持続可能な連携の充実を目指している。
ミーティングには、事業運営委員や専門高校の職業学科担当教諭、教育局の指導主事らオンラインを合わせて約100人が参加した。
開会に当たり、髙田安利高校教育課長は同プロジェクトの趣旨を説明した上で、様々な情報交換を通して、学科の垣根を越えて、各学校や生徒・地域の実情に応じた今後の産業界との連携に生かすよう求めた。
引き続き、静内農業高の工藤淳教頭がマイスター・ハイスクール事業の自走化に向けた取組を発表した。
同校は、5年度まで3ヵ年で実施したマイスター・ハイスクール事業で「地域発次世代イノベーター人材の育成~持続可能な日高農業の創り手」をテーマに研究を推進。行政機関、企業、法人、団体、大学と協働で食品産業、園芸、馬産などの農業・農業関連産業を支える人材育成を目指して取り組んできた。
工藤教頭は、3年間の研究成果を振り返り「場当たり的で振り返りのない授業・イベントは、学習効果が低い」とし「探究のサイクルを意識した外部人材の活用が大切」と強調した。
また、同校教育振興会の会員や関係機関、賛助会員らで構成する「静農コンソーシアム」を秋ごろの発足を目指して準備を進めていることを報告した。
続いて、藤田朋軌キャリア教育指導係長が事業概要を説明。道内の高校の産業界と連携した好事例を紹介したほか、同課に配置した産学連携コーディネーターの役割などを解説した。
道建設部や経済部、北海道建設業協会等の関係機関と連携した教員向けセミナーを開催することを報告。建設DXや6次産業化、洋上風力発電に関する取組を進め、産業構造の変化や新たな働き方への理解促進を図る方向性を示した。
このあと、前年度まで同校のマイスター・ハイスクールCEOを務めた北海道農産協会の桑名真人てん菜部長が「専門高校と産業界のサステナブルな連携の在り方」をテーマに基調講話したほか、月館海斗産学連携コーディネーターをファシリテーターにグループ協議を実施。参加者からは「学校を理解してくれる地域が増えてほしい」「学校と地域がウィンウィンになるような取組を進めたい」などの声が上がった。
(道・道教委 2024-07-10付)
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