ニセコ町 6年度教育行政執行方針 ニセコスタイル 教育専門官を新設 高校全日制転換など検討(市町村 2024-07-26付)
ニセコ町教委・片岡辰三教育長
【小樽発】ニセコ町教委の片岡辰三教育長は、6年度教育行政執行方針において、幼小中高を連続した学園体と捉え、特色ある学びを展開する「ニセコスタイルの教育」の推進に向けて、教育専門官を新設する考えを示した。英語教育やふるさと教育、ICT活用を進め、各学校が一体感のある教育活動の展開を図る。また、ニセコ高校において、全日制への転換や学校規模の見直しを検討するとした。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼豊かな心と健やかな体の育成
▽幼児教育・保育の推進
幼児センター利用者の利便性向上や保育士の業務負担を軽減するため、保育支援システムの拡充などDX化の推進を進める。
▽体力・運動能力の向上
子どもが健やかな生活を送ることができるよう、家庭と連携し基本的な生活習慣づくりを進めるとともに、全国体力等調査などの結果を活用し、幼児センター・学校での体力づくりの充実や運動習慣の定着に努める。
▽健康教育・食育の充実
学校給食費については、本年度も公費負担によって学校給食費1食当たり単価の据え置きを継続するほか、学校給食費の免除の対象をこれまでの第3子以降から第2子以降に拡大し、保護者負担の軽減を図る。
▼確かな学力の育成
▽新しい時代に必要となる資質・能力の育成
小・中学校では、学力向上に向けた教育活動の検証と改善に教職員が一体となって組織的に取り組む。また、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を進め、新しい時代に必要となる資質・能力を育成する。
▽特別支援教育の推進
特別な配慮が必要な児童生徒に対し、通級指導や特別支援学級での学びのほか、小・中学校に特別支援講師を配置し日常生活や学習面の支援を行うなど、特別支援教育の充実に努める。
▽STEAM教育の推進
総合的な学習の時間における教科等横断的な学習や探究的な学習を実践し、異なる分野の知識を統合して創造的に問題を解決する能力を育む。
▼ふるさと・多文化共生の推進
▽ニセコスタイルの教育の推進
「ニセコスタイルの教育」は、小学校から中学校までの9年間の連続性のある教育に加え、幼児センターやニセコ高校との連続性も考慮し「4校種を連続した一つの学園体」と捉えた、ニセコで学び、ニセコを愛する子どもを育てる取組。事務局に新設配置する教育専門官が中心となり、重点項目である英語教育、ふるさと学習、ICTの活用を中心に取組を進め、各学校が一体感のある教育活動を展開する。
▽ニセコ高校の振興
ニセコ高では、シビックプライドを持ったグローバル人材の育成に向けて、起業家教育と国際教育を特色とする新しい学校づくりを進める。総合学科の特色を生かした具体的なカリキュラム検討を進めるとともに、起業家教育ではデジタル技術等を活用した探究活動を進め「仮称・放課後起業クラブ」など学習成果を活用し挑戦する機会を創出する。
国際教育では、4年生が行う海外研修や短期海外留学などの費用を支援するほか、生徒が日常的に英語や海外の文化に触れ、楽しみながら国際感覚を身に付けることができる「仮称・NISEKO World Village」の活動を推進する。
併せて、全日制への転換や学校規模の見直しを検討するとともに、道内外遠方からの生徒募集に当たり安心して生徒が通うことができる環境を整備することが重要であることから、老朽化した高校寮「希望ヶ丘寮」の早急な再整備に向けてさらに検討を進める。
▼学びの質を高める環境の確立
▽ICTの活用推進
ハード・ソフト・人材を一体とした環境整備を進める。ICT支援員の配置、教職員のICTを活用した授業力の向上などのほか、小学校から高校まで全ての児童生徒が利用できる学習支援ソフトを導入し、学びの充実や家庭学習での活用を進める。
▽教職員の研修機会の充実 町内の教職員が参画するニセコスタイルの教育研究会の活動を支援する。「ニセコスタイルの教育の日」を設定し、町内全校種の教職員が一堂に集まり研修を行うほか、専門性を有する研修を行う。
▽働き方改革の推進
学校における働き方改革を推進する。また、教育現場のDX化をさらに進め、教職員が持てる力を存分に発揮できる職場環境を整備する。
▽学びのセーフティーネットの構築
帰国子女を含め日本語ができない児童生徒へ教職員や支援員の配置を行い、子どもの就学機会を提供するほか、学校生活への適応を図る。
▽教育環境整備(学校の暑さ対策)
熱中症の危険もある猛暑が続くことが予想されていることから、エアコン設置による学習環境の改善に取り組む。5年度に整備を完了した幼児センターに続き、各小中高校にも早期に設置ができるよう準備を進める。
また、建築後30年以上が経過しているニセコ高校舎の劣化状況の調査を行い、再整備に向けた基本方針を策定する。
▼生涯学習・スポーツの充実
▽生涯スポーツ活動の推進
学校で行われている部活動を持続可能なものとするため、町休日部活動の地域移行検討協議会において、部活動の段階的な地域移行に向けた具体的な方策を検討する。
(市町村 2024-07-26付)
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