浜中町教委　大津波発生に備え　防災教育モデル構築へ　霧多布中　秋に１日防災学校など

（札幌市 2024-08-01付）

　【釧路発】浜中町教委は本年度、道教委の「道実践的安全教育モデル構築事業」モデル地域として、大津波発生に備えた防災教育を推進する。拠点校の霧多布中学校では秋ごろに保護者への引き渡し訓練や地域との連携による１日防災学校の開始を計画。域内の全ての学校で学校安全を推進する中核教員を位置付け、地域全体の安全教育モデルを構築、普及させる。

　同事業は安全教育の指導方法等の開発・普及を図る道教委の指定事業。町の沿岸部は大津波発生時に甚大な被害が予想されており、合同避難訓練の実施など地域の安全意識の向上に貢献している霧多布中を拠点校に指定した。

　７月２３日、町役場において第１回道実践的安全教育モデル構築実践委員会を開催。教育委員会や学校関係者のほか、気象庁などの関係機関や道教育大学釧路校教授らのアドバイザーが参加して今後の計画について意見交換し、事業のスタートを切った。

　拠点校の霧多布中では１０月に保護者への引き渡し訓練を実施するほか、１１月に１日防災学校の開催を計画。防災教育に関する授業のほか、地域における総合避難訓練の参加や外部講師による防災講話を行う。取組内容は地域住民・保護者に公開し、防災意識の向上を図っていく。

　拠点校以外の学校安全推進体制の構築に向けた取組も進め、域内の全ての学校で学校安全を推進する中核教員を位置付ける。危機管理マニュアルの見直し・周知を行うことで、危機発生時における役割の共通理解につなげる。

　拠点校である霧多布中の沼田卓二校長は「関係機関と連携して安全・安心な環境づくりを進め、生徒が“ともに生き抜く力”を身に付けることができるよう、防災安全教育の充実を図っていきたい」と語る。

(札幌市 2024-08-01付)