１人１台端末の共同調達会議　仕様書決定　事業者募集へ　６年度　１０市町村で約２千台

（道・道教委 2024-08-02付）

　道公立学校情報機器整備共同調達会議（会長・中島俊明道教委教育長）は７月３１日に第２回会議を開き、義務教育段階における学習用端末の共同調達に向けた仕様書と事業者の選定方法を決定した。１日付で事業者の募集を開始。事業者決定後、個別に自治体と契約する流れとなる。６年度は１０市町村で約２０００台の端末を整備する計画となっており、札幌市を含む約９割の自治体では７年度以降の発注が見込まれる。

　GIGAスクール構想で整備された端末の利用が進む一方、故障する機器が増加し、バッテリーの耐用年数も迫る。このため文部科学省は本年度から各都道府県に基金を造成し、５年間をかけて端末の計画的・効率的な共同調達を進める。

　物価高を反映し、端末の補助基準額はGIGAスクール開始時の４万５０００円から５万５０００円に増額。補助率は３分の２となっている。タッチペン、端末カバー、画面保護フィルム、各ＯＳの標準ソフトウエアも補助対象だが、充電保管庫は対象外となった。

　道内では道教委と１７９市町村教委の教育長で構成する共同調達会議を設置し、６月の初会合以降、事業部会と作業部会の両部会で実務レベルでの協議を重ねてきた。

　協議結果を踏まえ、第２回会議で共同調達の仕様書や事業者の選定方法を決定。６年度はグーグルのクロームを紋別市、蘭越町、知内町、浦幌町、遠軽町、白糠町の６市町で１４２７台、アップルのアイパッドを利尻町、豊頃町、西興部村、士幌町の４町村で５４４台整備する。

　マイクロソフトのウィンドウズに関しては６年度に整備する自治体はなかった。

　選定した事業者は道内全域の調達を行うが、地域の状況に応じて柔軟に対応できるよう、共同企業体（コンソーシアム）を構成して入札に参加することも認める。９月に事業者を決定し、次回会議で結果を報告する。

　７年度は札幌市を含めた約１６０市町村が端末を整備する予定で、次年度の調達に向けた会議を本年度中に開催する。　

　国の規定では各都道府県で定める共通仕様書を許諾せず補助金のみを受け取って端末を調達する「オプトアウト」を可能としており、高度な教育を行うため高スペックの端末を導入する自治体や、共同調達に参画せずとも十分な価格交渉を行うことができる人口規模の自治体などが選択する可能性があるという。

(道・道教委 2024-08-02付)