公立高校配置計画地域別検討協(渡島) 函館市内 恒常的欠員解消を 「圏域協議」との関連性問う声
(道・道教委 2024-08-07付)

公立高校配置計画渡島学区

 【函館発】道教委は7月29日、渡島合同庁舎を会場に第2回公立高校配置計画地域別検討協議会(渡島学区)をハイブリッド形式で開催した。市町教委や公立高校、小・中学校、PTA関係者ら約40人が出席。恒常的に欠員が生じている函館市内高校の現状を踏まえ、実際の入学者数に見合った配置計画を求める意見や通学可能圏域単位で高校の在り方を検討する「圏域協議」と高校配置計画の関連性を問う質問が寄せられた。

 会議で手塚和貴高校配置・制度担当課長は9年度の配置計画案について前年度から11人減と微減であるため「学区全体として直ちに定員調整をする必要はない」と説明。

 一方、10~13年度までの4年間で5~6学級に相当する347人の中卒者減が見込まれると指摘した。

 うち函館市内で297人の減が予想されるため、管内の中卒者の進路動向が一極集中する函館市内周辺市町の再編の在り方を検討する必要があるとした。

 また、本年度の入学生が11人だった上磯高校について、次年度の入学状況で再編の対象にかかる可能性があると指摘。生徒確保に向けた一層の努力を求めた。

 函館地区私立高校長協会会長で函館大学付属柏稜高校の扇柳尚英校長は6~8年度における公私比率の勘案が適切ではないと指摘。9年度1間口、10年度3間口、11年度1間口、12年度2間口の減を要望した。

 本年度入学者選抜で398人の2次募集が行われた状況を踏まえ、恒常的に欠員が生じている実態を危惧。「中卒者数の増減で間口コントロールをしていても多数の欠員が出続ける状況は解決しない。実際の入学者数を配置計画の中に取り入れてほしい」と要望した。

 7年度から地域連携校を導入する森高校に関し、森町教委の毛利繁和教育長は高校配置に関する基本的な考え方について「他の高校への通学が困難な地域」の解釈のほか「圏域協議の内容が今後配置計画に盛り込まれる見込みがあるのかを伺いたい」と質問。北海道新幹線の延伸やバスの営業不振に伴い、路線減少などが予想されるため「様々な視点で考えてほしい」と要望した。

 手塚高校配置・制度担当課長は「圏域協議の内容については各市町村によって異なるため公表はしていないが、異論がないよう配置計画案に反映したい」と回答。

 通学困難地域の定義については、公共交通機関を利用して他の高校に1時間以上通学する場合が対象で、小学校を起点としていることを説明し、現在、全道の通学困難地域の調査を進めていると明らかにした。

 道教委は会議の意見を参考に、9月上旬をめどに配置計画を決定する。

(道・道教委 2024-08-07付)

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