道総合教育大綱改定へ骨子案 子ども・教育政策を相互連携 教育DXなど12施策を追記
(道・道教委 2024-08-07付)

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総合教育大綱改定骨子案の新規・拡充項目(クリックすると拡大表示されます)

 道と道教委は5日、札幌グランドホテルで第2回道総合教育会議を開催し、7年度からスタートする道総合教育大綱の改定骨子案のたたき台を示した。基本理念では「こどもまんなか」の考えの下で子ども政策と教育政策の相互連携を明記。「持続可能な社会の創り手を育む」など四つの基本方針を掲げ、個別具体の施策を32から44項目へと拡大し「教育DXの推進」「子どもの意見表明の機会の確保」などの施策項目を追加した。

 大綱は、知事と教育委員会が教育・学術・文化の振興に関する総合的な政策に関する基本的な認識を共有し、政策を推進するために策定するもの。

 平成27年に第1版を策定し、今回で4回目となる改定を行う。

 基本理念では、学びと育ちに係る政策の相互連携によって子ども・若者の健やかな成長を社会全体で後押しすることを明記。学校数の減少や小規模校化など本道の課題への対応とともに、地域社会全体で子どもを見守り、育てていく取組を支える人材確保に向けた施策を進めるとした。

 求められる人間像では新たに「自らの意見を表明し、社会づくりに参画する人」を盛り込み、社会の一員としての主体性を高めるため、子ども・若者による社会参画・意見反映を支えていく。

 骨子案は9月開催の第3回定例道議会で報告。団体・市町村への意見照会を経て10月の第3回会議で素案を示す。12月にパブリックコメントで子どもも含め意見を募集し、7年1月の第4回会議で案を審議。本年度中に改定する。

 会議では改定骨子案のたたき台について各委員が意見を述べた。

 青山夕香委員は、子ども・若者が意見を述べやすい環境を構築することで、いじめ問題の早期発見・防止、自殺防止、ハラスメント防止、さらには子どもの自己肯定感の向上にもつながるよう期待した。

 渡辺一人委員は子ども・教育政策の相互連携が明記されたことを高く評価。セーフティーネットの機能など学校に求められる役割の拡大が予想されることから、関係部署の役割を再編成し、児童生徒と教職員のウェルビーイングへとつなげる必要性を指摘した。

 川端絵美委員は子どもたちを支え、共に困難に挑戦する保護者としての視点を示したほか、成年年齢の引き下げやヤングケアラーの負担などの課題に関する議論を深め、基本方針への反映が図られるよう期待。

 大鐘秀峰委員は、人口減少社会における地方創生、地域を担う人材育成が最大の課題とし、具体的な修正点を意見。地域創生に関連する項目が複数あることから「地学協働」の観点で統合・整理するよう提案した。

 清水彰委員は、子どもが自らの能力や可能性を伸ばしていく主体となることで、教育課程にも主体的に関わる視点を提起。貧困・ヤングケアラーなどの諸課題の解決に向けて社会との接点を確保することが必要とし、子どもたちが学び、成長する環境を整備する大綱の方針を評価した。

(道・道教委 2024-08-07付)

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