道教委 管理職特別支援教育研修会 子の実態 共有時間確保を 特総研・伊藤研究員が講演(道・道教委 2024-08-07付)
第3回管理職のための特別支援教育に関する研修会
道教委は7月26日、本年度第3回管理職のための特別支援教育に関する研修会を札幌市内の道第二水産ビルおよびウェブ会議システム併用で実施した。国立特別支援教育総合研究所インクルーシブ教育システム推進センターの伊藤由美総括研究員が「インクルーシブ教育システムの構築」をテーマに講演。子どもが適切な場で学ぶことや子どもに必要な支援を提供する大切さに触れ、通常の学校で合理的配慮が進むよう子どもの実態や支援について共有する時間を確保する重要性を説いた。
研修会には、小・中学校、高校、特別支援学校の管理職や市町村教委の職員ら444人が参加した。
開会に当たり、針ヶ谷一義特別支援教育担当局長があいさつ。国内・国外における特別支援教育における様々な動向に触れ「各学校の管理職や市町村教委において、特別な教育的支援を必要とする子どもを取り巻く動向を的確に捉えながら、インクルーシブ教育システムの構築のための特別支援教育を一層推進していくことが求められている」と指摘。同研修成果を踏まえ、自校や市町村の特別支援教育に関わる体制等をあらためて見直し、改善につなげるよう期待を寄せた。
引き続き、伊藤総括研究員が「インクルーシブ教育システムの構築~市町村教委の役割と校長のリーダーシップ」をテーマに講演した。
通級担当者に求められることや子どもたちが求める支援内容に触れ、子どもが適切な場で学ぶことや子どもが求める必要な支援を提供する大切さを強調。子どもに必要な合理的配慮が提供しやすい学校・教室づくりを目指すよう求めた。
また、適切な学びの場の選択に向け教育委員会に期待することとして、保護者への説明力・調整力の向上に向けた研修機会の確保や保護者に向けた理解啓発、幼稚園や療育などへの連携の働きかけなどを提示。通常の学校での合理的配慮が進むようコーディネーターの専任化など人的配置を工夫するとともに、子どもの実態・支援について共有する時間を確保する重要性を説いた。
研修後、参加者からは「“困った子ども”から“われわれ教員が困らせている子ども”と見方を変え、どの子どもにとっても、学びが積み重なる45分間が保障される環境を大切にしていきたいと強く思った」「特別支援学級に限らず、様々な子どもが在籍している中で、学校全体で多様性を認める意識を持って取り組むことの重要性が理解できた」などの感想が寄せられた。
(道・道教委 2024-08-07付)
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