特セン 知的障がい教育の授業改善へ “星本”授業モデルを構築 紋別養護など4校で研究推進(道・道教委 2024-08-02付)
道立特別支援教育センター(柏木拓也所長)は本年度、知的障がい特別支援学校における授業改善に関する研究に取り組む。紋別養護学校など4校を研究推進校に、文部科学省著作教科書(星本)を活用した授業モデルを検討。各研究推進校における授業の評価等に関する資料や実践事例の提供などを通して、星本を活用した授業モデルを構築し、知的障がい教育における授業づくりの改善・充実につなげる。
平成29年の学習指導要領改訂では、知的障がい者である児童生徒のための各教科等の目標や内容が育成を目指す資質・能力の三つの柱に基づいて整理された。
特別支援学校に在籍する児童生徒が増加し、重度・重複化が進む中、国や道の報告等では、知的障がい特別支援学校の各教科において育むべき資質・能力を着実に児童生徒に身に付けさせる観点から、星本のさらなる作成の必要性や活用の促進が示されており、知的障がい教育における各教科等の学習の充実が緊要な課題となっている。
これらを踏まえ、同センターで本年度、知的障がい教育に携わる教員が各教科等で育成を目指す資質・能力の三つの柱を踏まえた授業づくりへの理解を深められるよう、星本を活用した授業モデルを構築する研究に着手した。
星本は、知的障がい特別支援学校用の文部科学省著作教科書で、現在は、国語、算数・数学、音楽、生活が発行されている。5月には、全道知的障がい特別支援学校を対象にアンケート調査を行い、活用状況等について聞き取りを行った。
研究の推進に当たって、紋別養護、余市養護学校、稚内養護学校、東川養護学校の4校を研究推進校に指定。紋別養護と余市養護は「授業モデル実施校」、稚内養護と東川養護は「星本活用サポート校」として取組を進める。
授業モデル実施校2校は、教育課程や単元の指導計画、学習指導案および授業の評価等に関する資料を提供するほか、星本を活用した授業モデルの検討や授業を実施する。
星本活用サポート校2校は、星本を活用した授業モデルの検討における実践事例の提供、授業モデル校への助言などを行う。
今後、7、8月にかけて授業づくりに向けた協議を3回程度実施。9、10月に授業モデル実施校の授業で実践する。実践の成果をもとに、10~12月にかけて研究のまとめを行い、来年2月に成果報告会の実施および研究紀要の発刊を予定している。
特センでは「本道の知的障がい特別支援学校がこれまで培ってきた単元を大切にしながらも、学習指導要領に示されている各教科等の目標および内容を踏まえ、学んでいる内容や育成すべき資質・能力の視点からの見直しを図る一助となる研究にしたい」と期待する。
(道・道教委 2024-08-02付)
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