近美基本構想策定検討の考え方　樹木伐採　配慮と復元必要　道教委　整備の方針整理

（道・道教委 2024-08-08付）

　道教委は、道立近代美術館基本構想の策定に向けた検討の考え方をまとめ、６日の道議会文教委員会などに報告した。道民や有識者の意見や技術的検討調査結果などをもとに、整備方法の検討の考え方を整理。樹木の伐採には住民等への配慮が必要であることや、伐採相当分の復元の検討が必要であることなどを示している。

　基本構想の策定に向けた主な意見をみると、道民等からは「現施設の建築価値や都市景観への配慮をしてほしい」「都市部の中の豊かな自然を守り、残してほしい」、有識者からは「現在の建物は諸室の面積が不足している」「多くの木を伐採するのであれば木の代替地の確保や周辺住民の理解を得た上で進める必要がある」などの意見が寄せられた。

　技術的検討調査の結果では、Ａ案「改修＋収蔵庫」、Ｂ案「現地新築」、Ｃ案「移転新築」の３パターンを提示。うちＡ案が美術館活動と環境への影響の観点で最も短所の少ない整備手法となっている。

　整備方法検討の考え方としては①目指す姿の実現②美術館活動③環境への影響④道有建築物の長寿命化⑤建築物等に関する最近の議論―の５項目を提示している。

　環境への影響に関して、緑の保全に関する意見が多く寄せられていることから樹木の伐採には配慮が必要であることや、環境負担軽減の観点から伐採相当分の復元の検討が必要であることなどを示している。

　道教委は今後も引き続き、道民からの意見聴取結果や技術的検討調査の結果を参考に有識者等の意見や知事公館エリアとの整合性等も踏まえ、本年度中に基本構想の内容をまとめる予定。

(道・道教委 2024-08-08付)