国庫補助負担金改革を　札幌市　７年度大都市財政要望案

（札幌市 2024-08-22付）

　札幌市は、指定都市などがまとめた７年度大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望（通称・青本）案について、１９日の市議会大都市税財政制度・ＤＸ推進調査特別委員会で報告した。国庫補助負担金の改革など９項目を要望している。

　青本は、中長期的な観点からの税財政制度の改正に関して、大都市行政を総合的に進める上で不可欠な税財政の充実を図ることを目的に、指定都市市長会などが昭和３８年から取りまとめているもの。例年１０、１１月ごろに各政党をはじめ、内閣府や総務省、財務省などに要請している。

　７年度は、税制関係で５項目、財政関係で４項目の計９項目を要望事項に掲げた。

　財政関係では、国庫補助負担金の改革などを挙げた。

　国と地方の役割分担の見直しを行った上で、国が担うべき分野については必要な経費全額を国が負担するとともに、地方が担うべき分野については国庫補助負担金を廃止し、所要額を全額税源移譲するよう要望。

　税源移譲すべき主なものとして、子どものための教育・保育給付交付金、子ども・子育て支援交付金、義務教育費国庫負担金などを示している。

　６年度における国庫支出金対象事業の総事業費と補助基本額の状況をみると、保育所等運営費で８３２億円、小・中学校校舎建設費で１９０億円など多額の超過負担が生じており、国庫補助負担金について「地方が必要とする額が措置されていない」と指摘。

　税源移譲されるまでの間、地方が必要とする国庫補助負担金の総額を確保するとともに、超過負担を解消すること、地方にとって自由度が高く活用しやすい制度とすることをを求めている。

(札幌市 2024-08-22付)