５年度子どもアシストセンター活動　相談　微増１１４４件　札幌市　ライン相談が過半数

（札幌市 2024-08-23付）

　札幌市子どもの権利救済機関「子どもアシストセンター」は、５年度の活動状況報告書をまとめた。相談件数（実数）は１１４４件で、前年度比０・７％増となった。ラインによる相談が増加傾向にあり、５年度は全体の半数以上を占めた。

　センターは、１８歳未満の子ども本人や保護者から、いじめや暴力、友人・親子関係などに関する相談をラインや電話、メール、面談で受け付けている。

　５年度に寄せられた相談は、実件数が０・７％増の１１４４件。子ども本人からの相談が７７６件と７割近くを占めた。次いで母親が２７０件（２３・６％）となっている。

　相談者や内容の重複を含めた延べ件数は１９・７％増の３２３８件だった。

　相談方法は、ラインが５９８件（５２・３％）と最多。電話が４５６件（３９・９％）、Ｅメールが８５件（７・４％）だった。

　特に、子どもからの相談では７割以上がラインを活用。センターは「子どもたちにとって、相談方法の主軸がラインになってきている」と捉えている。

　相談内容の内訳（延べ件数）をみると、最多は「学校生活」で１４９８件（４６・３％）。２番目には、初めて「性格行動」が入り、５６６件（１７・５％）だった。センターによると、精神不安に関する相談などが多かったという。

　当事者同士の間に入り事実確認や話し合いなどを行う「調整活動」は、２４の案件について延べ１３３回実施した。調整先として最多だったのは児童相談所の１４件。児童虐待が疑われる案件として児童相談所に通告したものはなかった。

　２１日、品川ひろみ代表救済委員らが市役所を訪れ、秋元克広市長に報告書を手交した。

　品川委員が報告書の概要を説明し「一人ひとりの子どもの権利が守られるよう、子どもを取り巻く全ての大人が子どもを中心に考えられるよう、救済委員として責務を果たしていきたい」と述べた。

　秋元市長は、関係機関と連携した取組などを評価し「一つの組織・団体で完結することばかりではない。いかに情報共有をしながら全体で子どもたちを見守る体制づくりが大事」と話した。

(札幌市 2024-08-23付)