札幌新川西中校区 CS導入へ準備 小高連携の素地着実に 課題の中高連携へ合同研修会(札幌市 2024-08-27付)
4校の教職員98人が集まり、高校の取組について理解を深めた
札幌市立新川小学校(今野芳光校長)、新光小学校(堀口基一校長)、新川西中学校(相沢克明校長)、市立札幌新川高校(矢田春義校長)で構成する新川西中学校区パートナー校は、7年度のコミュニティ・スクール(CS)導入に向けた準備を進めている。札幌新川高では高校生の小学生に対する出前授業など「小高連携」の素地が固まりつつある。一方、年齢の近さや多感な発達段階が故に連携が難しい「中高連携」が課題だ。本年度は関係校で教育課程内外における連携の在り方を考えようと、合同研修会等を新川高で企画。今後は学校運営協議会委員の選定などを進めるとともに、関係校同士が互いの取組に理解を深め、小中高の望ましい連携の在り方を模索する機会を広げる。
札幌市教委が本年度から順次導入を進めているCSは、小中一貫したパートナー校単位で協議会を設置する。本年度は7パートナー校区が設置予定で、その他の校種は独自で設置する。現時点で市立高校、特別支援学校の加入予定はなく、新川高は初めての例とみられる。
小・中学校、高校の4校で構成する新川西中学校区は、近距離の特性を生かし、地域の桜並木の清掃活動や公園の落ち葉拾いなど、放課後の奉仕活動に長年取り組んできた。3年度からは教育課程内での連携を検討し、4年度、新川高では総合的な探究の時間の課題として実施する「学びのデザイン」を本格化。高校生が教材作りを経て、小学生に英語や算数を教えることで児童は高校生に対する憧れを、高校生は小学生を見守る責任感を育む意識の醸成につなげている。
関係校はCSの導入に向けてこうした取組のブラッシュアップを考えているが、中高の連携に関しては多感な発達段階や年齢の近さを考慮し、交流が進まない課題がある。
異年齢集団の学びの輪や関係校の理解を深めようと、22日には新川高で第1回合同研修会を開催。進路指導部の近藤肇教諭は、試行段階だった3年度の高校生が指導した当時の児童が、ことし中学校に入学していることに触れ「本年度、中学校との交流が実現すれば小中高連携した教育活動の完成形となる」と強調。同校では近年、道教育大学を志望する生徒が増えたとし「取組をきっかけに将来の目標を見つけた生徒もいる。児童生徒が互いに学びを得られる活動を今後も続けていきたい」と力を込めた。
質疑応答では参加者の一人が具体的な中高連携について質問。矢田校長は、剣道部など一部の部活動で中学校との合同練習を行っていることを踏まえ「部活動を通した交流の輪を広げることもアイデアの一つ。距離感を生かした取組を今後も発展させたい」と意欲的な姿勢を示した。
研修会では4校の教職員が同校の「学びのデザイン」に関する授業を参観する場も設定。今後は関係校同士の研修会とともに学校運営協議会委員の選定などを行い、7年度の円滑なCS導入に向けて準備を進めていく。
矢田校長は「CSの推進に向けては、それぞれの学校の取組を知ることが始まり。このような研修を通した情報共有が試金石の一つになれば」と期待する。
(札幌市 2024-08-27付)
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