道教委 第10回夜間中学協議会 オンライン環境整備を 設置促進の取組や不登校対策共有
(道・道教委 2024-09-02付)

第10回夜間中学に関する協議会
第10回夜間中学に関する協議会

 道教委は8月27日、道庁別館で第10回夜間中学に関する協議会を開催した。市町村教委や学校、PTA、民間団体関係者ら13人が出席し、各市町村教委、団体などの夜間中学設置促進に向けた取組や不登校対策の実践などを共有。構成員からは、町民が気兼ねなくオンライン学習ができる環境整備を一層進めるよう求める声などが上がった。

 協議会は、道内の学齢期を経過した様々な事情で義務教育段階の教育を十分に受けることができなかった者で、その機会の提供を希望する者に対する夜間中学における就学機会の提供、その他必要な取組等について協議することを目的に開催している。

 前年度は、同協議会とワーキンググループをそれぞれ1度開催しており、広域の本道における学びの機会の充実、オンライン授業の有効性などについて意見を交わしてきた。

 また、昨年6月に閣議決定された教育振興基本計画では「全ての都道府県・指定都市に少なくとも一つの夜間中学が設置されるよう促進する」ことが明記されており、こうした状況を受け、札幌市以外の地域でも、夜間中学の設置を含めた学びの機会の検討を深めるため、函館市、旭川市、釧路市の三つの市の教育委員会で地域の実情や課題等について議論を深めている。

 開会に当たり、道教委の伊藤伸一学校教育局長があいさつ。「広域の本道において、学齢期に様々な理由で学校に通えなかった人など、義務教育段階の学びを求める人たちの新たな学習機会を保障するためには、地域の実情とニーズに応じた検討を進めていくことが大切」と強調。学びの機会の充実に向け、夜間中学の設置等を含めて、忌憚のない意見を求めた。

 議事に移り「本道の広域性を踏まえた夜間中学の在り方」をテーマに協議。また、不登校となっている生徒への支援、不登校だった人で学齢期を経過した人への支援として夜間中学が果たす役割についても意見を出し合った。

 事務局が国の夜間中学設置促進に向けた方針や全国の夜間中学の設置状況のほか、学齢生徒の夜間中学受け入れについての国の見解、他県の事例などを説明。これまで札幌市立星友館中学校や札幌遠友塾自主夜間中学、釧路自主夜間中学くるかいなどと協力して試行実施してきたオンライン授業を紹介し、本年度も試行実施の成果や課題を踏まえながら引き続き実施していく考えを示した。

 また、不登校生徒が学びの場として夜間中学を利用することを可能とする動きがあることを伝えた。

 このほか、他県の夜間中学におけるオンライン授業の事例として、熊本県立ゆうあい中学校の「オンライン生」募集の取組を紹介。様々な事情で通いたくても通えない人を「オンライン生」として、正式な生徒とは別に受け入れている状況があることを報告した。

 構成員からは「実際に足を運ばなくても、オンラインでも臨場感のある授業が受けられる。学び直しを希望する人にいかに学べる機会やきっかけを提供することが大事」「札幌まで通うのが困難な人のために、町内会等と連携して町内の施設で町民が自由にオンラインで学べる環境をもっと増やしてほしい」などの意見が上がった。

 このほか「学びの充実に向けた取組」についてそれぞれの取組を共有した。

(道・道教委 2024-09-02付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委 7~9年度公立高校配置計画 南茅部 募集停止決まる 11校で1学級増に変更

 道教委は3日、7~9年度における公立高校配置計画を発表した。6月に示した計画案どおり南茅部高校の9年度募集停止を決定。岩見沢東高校と岩見沢西高校の再編統合に伴う、市内新設校の普通科新学科の...

(2024-09-04)  全て読む

道教委 5年度公立学校通勤災害 28件増 62件発生 6割が出勤時 冬型6件増27件

 道教委は、札幌市を除く道内公立学校における5年度通勤災害の認定状況をまとめた。全体の件数は前年度比28件増の62件で、6割が出勤時に発生。10月~6年2月に発生した冬型事故件数は27件と、...

(2024-09-03)  全て読む

子が主語の教育実現 網走で道研連研究発表大会

道研連研究発表大会開会式  【網走発】道教育研究所連盟(道研連、川端香代子委員長)は8月29日から2日間、網走市内のオホーツク・文化交流センターで第79回道教育研究所連盟研究発表大会網走大会兼第66回全国教育研究所連...

(2024-09-02)  全て読む

いじめ 積極的認知を 上川局主管 生徒指導研究協

 【旭川発】道教委は8月28日、生徒指導研究協議会をオンライン開催した。上川教育局が主管し、管内の各校種から教員ら70人余りが参加。いじめの積極的認知や、少年非行に対する警察と連携した対応の...

(2024-09-02)  全て読む

道教委 道立、市町村立高入選 出願手続き電子化試行 シミュレーション実施中

 道教委は8月26日から、道立高校および札幌市を除く市町村立高校の受検予定者とその保護者を対象に道立高校等入学者選抜における出願手続きの電子化シミュレーションを実施している。道教委による出願...

(2024-09-02)  全て読む

道教委、道高校長協会等が懇談会 外部人材で道立校支援へ 教頭候補者確保へ取組推進

道教委、道高校長協会等と教育懇談会  道教委と道高校長協会(宮澤一会長)、道高校教頭・副校長会(成田豪会長)、道公立学校事務長会(鈴木貴之会長)との7年度文教施策要望に係る教育懇談会が8月27日、札幌市内の道第二水産ビルで開か...

(2024-09-02)  全て読む

いじめ 積極的認知を 上川局主管 生徒指導研究協

 【旭川発】道教委は8月28日、生徒指導研究協議会をオンライン開催した。上川教育局が主管し、管内の各校種から教員ら70人余りが参加。いじめの積極的認知や、少年非行に対する警察と連携した対応の...

(2024-09-02)  全て読む

道教委が部活動改革推進本部 持続可能な地域クラブへ 石塚氏 自治体支援で助言

部活動改革推進本部  道教委は27日、道庁別館で本年度1回目となる部活動改革推進本部会議を開催した。スポーツデータバンク㈱代表取締役の石塚大輔氏が「学校部活動を取り巻く環境と地域クラブ活動の推進」と題して講演。...

(2024-08-30)  全て読む

道内市町村 休日の地域クラブ活動 運動37%、文化9%で実施 協議会設置、ニーズ調査など進展

表1  道教委は、札幌市を除く道内178市町村における部活動の地域移行に係る取組状況(6月1日現在)をまとめた。休日の地域クラブ活動の実施率はスポーツ系が37・6%、文化系が9・6%。半年前と比べ...

(2024-08-30)  全て読む

道 6年度学校基本調査速報値 15校減2736校に 義務教育学校3校増29校

表2  道は28日、6年度学校基本統計調査(学校基本調査)の本道分速報値を公表した。道内の学校(園)数は前年度と比べ、15校少ない2736校、在学(園)者数は1万642人少ない57万1656人。一...

(2024-08-30)  全て読む