道教委が部活動改革推進本部　持続可能な地域クラブへ　石塚氏　自治体支援で助言

（道・道教委 2024-08-30付）

部活動改革推進本部

　道教委は２７日、道庁別館で本年度１回目となる部活動改革推進本部会議を開催した。スポーツデータバンク㈱代表取締役の石塚大輔氏が「学校部活動を取り巻く環境と地域クラブ活動の推進」と題して講演。指導人材、財源、運営などの観点から地域クラブ活動の移行に向けたポイントを示し、市町村の支援に向けてアドバイスした。

　会議は、部活動の地域移行における国・道の動向、市町村の課題や好事例を共有するため５年度から設置。オンラインを併用し、道教委の幹部、各課課長、各教育局の局長・次長、道環境生活部のスポーツ・文化振興担当課長ら約５０人が出席した。

　開会に当たり山本純史学校教育監は、広域分散で小規模自治体が多い本道の状況を踏まえ「各市町村の取組が実情に応じて最大限に進展するよう、指導者人材バンクの登録者の拡大、アドバイザー派遣による市町村への支援の取組を一層充実させ、地域の状況を踏まえた支援を積極的に行っていく必要がある」との考えを示した。

　部活動改革推進課の長居成好課長が道教委・市町村の取組状況を説明。各教育局に対し、ロードマップの作成や積極的な聞き取りによって市町村の進捗状況や課題を把握し、提案やアドバイス、橋渡し役など積極的な支援を求めた。

　胆振・オホーツク・釧路の３教育局が管内の状況やサポートチームによる取組を報告。胆振局からは首長部局やＮＰＯ法人と連携して取組を進める市町の状況を伝えたほか、今後は道外の先進地の視察を行い、秋に開催予定の部活動地域移行推進会議で関係者と情報を共有するとした。

　つぎに石塚氏が講演。安全・安心を担保する指導者の研修・認証制度、多様な資金調達の手法、スマートロックやクラウドカメラを活用した施設管理など先進地の取組を紹介した。

　持続可能な地域クラブの制度設計・支援に向け、民間企業との連携や指導人材の登録などを担う「中間支援組織」の必要性に言及。生徒の移動手段の確保に向け、タクシー会社と連携して実証事業を進める帯広市や、観光・福祉部局と連携してコミュニティバスを活用する事例を挙げ、自治体全体で取組を進める視点を提起した。

　最後に質疑応答を実施。市町村の広域連携の支援に向けて石塚氏は、地域におけるスポーツ施設や指導者の実態調査の横断的な分析が必要とし、専門的なノウハウを有する外部人材やアドバイザーを有効に活用するよう助言した。

(道・道教委 2024-08-30付)