札幌もみじ台中 小川養護教諭 現在地知り思春期実感 性と命の健康教育で授業
(札幌市 2024-09-09付)

札幌もみじ台中性と命の健康教育

 札幌市立もみじ台中学校(木原英俊校長)は4日、同校体育館で1年生を対象に性と命の健康教育を実施した。小川美和養護教諭が「今、みなさんに伝えたい思春期の性~思春期のバトンをつなげよう」と題して授業を進め、生徒たちに、思春期真っただ中の自分の「現在地」やその時期に出会う「自分」「友達」「性」について考えさせた。

 小川養護教諭は、平成14年から保健師、助産師と連携して「思春期の性」に関わる保健講話を始め、特に近年は、自分自身で健康を守ることができる子どもの育成のために「性と命の学習」に尽力。4年度には、札幌市教委から教育実践功績表彰を受けている。

 5時間目を使った授業には、特別支援学級を含む1年生92人が出席した。

 小川養護教諭は①命の誕生②現在地③思春期の三つの出会い④性の多様性⑤将来の夢⑥先生の思春期―を題材として授業を展開。

 うち②について「皆さんの人生の中でものすごく成長する時期を生きている。併せて心も劇的に変化する時期でもある」と伝え、思春期を子どもから大人への移行期とし「一つ一つ乗り越えてバトンをつなげていく時期だということを覚えてほしい」と呼びかけた。

 また、思春期の三つの出会いについて「自分」「友達」「性」を挙げ、それらに関する質問に対して、生徒が「あるある」「ない」「悩む」の意思を表示できるようにオレンジ、緑、黄色のカードを配布。自分は人にどう見られているか気になるか、親や先生の言うことに反抗したくなるか、友達との関係で何かと悩むことがあるか、恋愛に興味があるかなどと質問を投げかけた。

 小川養護教諭は「あるある」との答えに対して「全てが自立しようと心が育っている時期。そういう自分を実感しながら頑張ってほしい」「思春期は自分探しが始まったばかりで、孤独感や不安感でいっぱいになる。友達関係の中でも傷つけられたり、傷つけたり悩みができるが、こういう経験値を積んで大人になっていく」「性との出合いは思春期最大の試練。そのストレスと向き合っていくことは、大人になっていくための必要なプロセス」などとアドバイスを送った。

 授業では「LGBTQ」や「SOGI」について解説したほか将来の夢については、事前の意識調査から集約した生徒一人ひとりの夢をアニメ風の動画で紹介。

 最後は先生の思春期について、小川養護教諭をはじめ1年生を担当する先生たちの、中学生時代に熱中していたことや当時、思い描いていた夢などが写真と共にスクリーンに映し出されると、生徒たちは歓声を上げながら先生の若き日の姿に見入った。

(札幌市 2024-09-09付)

その他の記事( 札幌市)

特別支援教育体制整備調査 札幌市分 コーディネーター 専任44・2%全国超 インクルーシブ加配が奏功

 文部科学省が公表した5年度特別支援教育体制整備状況調査結果から、札幌市の状況が明らかになった。特別支援教育コーディネーターを「専任」としている学校の割合が、全国を上回る44・2%に上った。...

(2024-09-10)  全て読む

札幌南が丘中 ラベンダーPJ 学校を彩るシンボルに 生徒が花壇管理 心を支え

南が丘中学校ラベンダープロジェクト  北海道の夏を彩るラベンダー。日本での栽培の発祥が札幌市南区にあることは意外と知られていない。発祥の地のお膝元、市立南が丘中学校(中川桃子校長)の玄関前には、花壇いっぱいにラベンダーが敷き詰...

(2024-09-10)  全て読む

札幌市教委 6年度学力・学習状況調査実施報告書① 読むこと 全国上回る わが国の言語文化も全国超

 札幌市教委は、6年度全国学力・学習状況調査実施報告書をまとめた(2日付8面既報)。ここでは、小・中学校各教科の概要や改善の方向性、児童生徒質問紙調査の結果と分析を連載で紹介する。 小学校...

(2024-09-09)  全て読む

札幌市教委 さっぽろっ子サミット 笑顔あふれる楽しい学校 全市立中の200人が思い発信

さっぽろっ子サミット  札幌市教委は5日、さっぽろっ子自治的な活動の充実に向け、札幌コンベンションセンターで「さっぽろっ子サミット」を初開催した。テーマ「みんなの笑顔があふれる楽しい学校へ~わたしたちができること...

(2024-09-09)  全て読む

札幌市 小学校高学年対象に 冬季に職業体験実施 企業訪問型約25種を用意

 札幌市子ども未来局は本年度、小学校高学年を対象とした職業体験を企画する。児童が興味のある企業を訪問する体験型の活動を通して、中学校入学を控えた児童のキャリア観育成を図る。約25種の体験プロ...

(2024-09-09)  全て読む

札幌市立高・特校長会が研究協 各校工夫し暑さ対策を 市教委への要望等振り返る

特校長会第6回研究協議会  札幌市立高校・特別支援学校長会(矢田春義会長)は3日、市立札幌みなみの杜高等支援学校で第6回研究協議会を開催した。過日市教委に提出した要望書の手交式の様子などを振り返った。  開会あいさ...

(2024-09-06)  全て読む

札幌市 福祉除雪地域協力員 小中学生の参加受付中 小学校にも募集チラシ配布

小・中学生向け福祉除雪地域協力員募集チラシ  札幌市保健福祉局は、福祉除雪を担う地域協力員の確保に向けて、小中学生への周知を強化している。募集チラシを作成し、5年度から市内の中学校に配布。本年度からは配布対象を小学校に拡大し、親子での...

(2024-09-06)  全て読む

札幌市中学校長会が例会・研修会 子に命の大切さ伝えて 熱中症対策の徹底呼びかけ

中学校長会9月例会・研修会  札幌市中学校長会(秀島起也会長)は4日、ホテルライフォート札幌で9月例会・研修会を開催した。秀島会長は、熱中症対策や、命の大切さについて考えさせる活動などに取り組むよう呼びかけた。  開...

(2024-09-06)  全て読む

札幌市教委 運動部活動学校間連携 8月末で50校113人活用 19校36人増 多様な機会確保

 札幌市教委が推進する運動部活動学校間連携方式について、本年度は8月末時点で市立中学校、義務教育学校後期課程50校、113人の生徒が活用している。前年度同時期と比較すると、19校、36人の増...

(2024-09-06)  全て読む

札幌月寒東小とレッドイーグルス アイスホッケー楽しい 選手と交流しシュート体験

レッドイーグルスと月寒東小の交流事業  レッドイーグルス北海道と札幌市立月寒東小学校(森井由見校長)の交流事業が4日、同校で行われた。2年生と4年生の児童186人が選手と交流し、シュート体験に挑戦。アイスホッケーの楽しさを知る機...

(2024-09-06)  全て読む