八雲町教委 八雲スタイル学習会 読解力向上を視点に 落部小5年算数「図形の角」公開(市町村 2024-09-09付)
八雲町教委八雲スタイル学習会
【函館発】八雲町教委は、小中学生の基礎的・汎用的読解力を育成する授業改善「八雲スタイル」を小中共通実践事項に掲げている。8月29日、落部小学校で第2回八雲スタイル学習会を開催。町内教職員25人が授業公開や協議を通して、読解力向上を視点に据えた授業づくりに向けて研鑚を積んだ。
町内小・中学校は4年度から、児童生徒の学力の定着・向上に向けて、文章の意味を正確に理解する力「基礎的・汎用的読解力」の育成に視点を当てた授業改善を推進。複数の文章が同じ意味を表すかを判断する「同義文判定」、文章と図形やグラフの適合性を認識する「イメージ同定」など6視点を踏まえ、教師が教科書を深く読み込み、児童生徒がどこでつまずくかを考え、手だてを具現化する授業づくりを進めている。
この日、落部小5年算数「図形の角を調べよう」(後藤明梨教諭、児童数10人)の授業を公開。6時間扱いの4時間目となる本時、「“多角形”を知り、多角形の内角の和の求め方を考え、説明することができる」を目標に定めた。
後藤教諭は導入時、教科書や視覚教材、ノートを効果的に活用しながら既習事項と定義を丁寧に確認した。学習のめあてを「多角形の角の大きさの和の求め方を説明しよう」と設定し、児童に既習事項の活用が重要であることを説明した。
児童たちは、1人1台端末を活用して図形に直線や点を作図しながら内角の和を個人で求め、同じ考え方ごとにグループに分かれた。
三角形や四角形に分けて内角の和を足し算したり、五角形の内側や辺上に打った点を使い、作られた三角形や四角形の内角の和から不要な角をひき算したりするなど、6通りの考えをグループで発表した。
普段の授業から互いの考えを比べる習慣が身に付けていることから、児童たちは三つの三角形に分ける方法が対角線の引き方で3通りあることに気付き「同じ考え方だと思う」と声を上げた。
学習のまとめは「多角形の角の大きさの和は」に続く文章を児童一人ひとりが考えてノートにまとめた。「対角線を引くと求められる」「三角形や四角形に分けると求められる」など、それぞれの考えが同じ意味合いを表していることを確認。教科書に記載された「まとめ」を書き写す形式と異なり、一人ひとりの考えが深まる学習となった。
このあと参加者は、公開した授業や読解力の視点に立った授業改善に関して議論を交わし研鑚を深めた。
(市町村 2024-09-09付)
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