浜頓別町教委　２台目端末実証事業　スマホ　各小・中に５台貸与　動画等をタブレットで編集

（市町村 2024-09-12付）

スマートフォンで同級生を撮影する生徒

　【稚内発】浜頓別町教委は町独自で、児童生徒が使用する２台目の端末整備に向けた実証事業に取り組んでいる。７月から浜頓別小学校と浜頓別中学校にスマートフォンを５台ずつ貸与。学習で撮影した動画や写真をクラウドにアップロードして、既存のタブレット端末でスライド作成などにつなげている。今後は、活用状況や成果・課題などを精査して町議会への報告を予定しており、来年度から全児童生徒にスマートフォンの貸与を目指す。

　ＧＩＧＡスクール構想によって、各校には１人１台端末としてノートパソコンやタブレット端末が整備され、カメラ機能を活用して各校で多様な教育活動が展開されている。

　一方、町は、校外学習や体育などでタブレット端末のカメラ機能を使用した学習の際、重量や大きさによって低学年児童が思うように扱えないことに加え、ワイファイのない校外ではインターネットに接続できないことなどが課題として挙がっていた。

　このため、持ち運びや低学年児童でも使用しやすいスマートフォンを町独自で全児童生徒に貸与することを検討。ことし７月からは、ＮＴＴコミュニケーションズ（株）などの協力を受けて「地域学習用端末活用実証事業」を開始した。

　事業では、浜頓別小と浜頓別中にスマートフォンを５台ずつ貸与。主に校外学習などでの動画・写真撮影に使用されている。

　また、校内ワイファイがない環境でもネット検索などが行えるよう、６ギガバイトのデータ通信が可能となっている。

　町教委では、１人１台のスマートフォン整備が実現した場合、家庭でオンライン授業を視聴しながらタブレット端末をノートとして活用したり、避難が必要な緊急時にメールを確認できたりするようになることを想定している。

　事業は１２月まで実施する予定。成果・課題を精査した上で、来年度の予算要望につなげていく。

　泉大吾教育長は「スマートフォンは日常生活で使用している子どもも多く、撮影のしやすさもタブレットより優れている。ネットで疑問に感じたことをすぐに調べることができるというのも学習の幅が広がる」と話している。

(市町村 2024-09-12付)