学校種間連携サポート事業全道研修会 小中一貫の好事例共有 道教委 佐那河内村に学ぶ(道・道教委 2024-09-26付)
道教委は13日、オンラインで本年度「学校種間連携サポート事業」兼「学園ネットワークコミュニティ研究実践事業」全道研修会を開催した。先進的な小中一貫教育を展開する徳島県佐那河内村教委の大島千文教育長と佐那河内村立佐那河内小中学校の倉橋誠一校長の2人が講演。参加者は、先進地域の実践発表を通して、地域や自校の課題解決の手だてを探った。
研修会は、小中一貫教育の円滑な導入・実施に向けた地域や学校における体制整備や9年間を通じた指導計画の作成・活用、授業の実際について理解を深めることが目的。
指定校と準備校の管理職や担当者、指定地域と準備地域の教育委員会担当者、小中一貫教育に関心がある市町村教委職員、教職員および教育局職員ら130人が参加した。
佐那河内村は「郷土“佐那河内”に誇りを持ち、自ら考え表現し、心豊かにたくましく生きる児童生徒の育成」を基本理念に掲げ、9年間を通して、小・中学校の全教職員が“ダブルの目”で子どもを見つめ、きめ細かに育てる小中一貫教育を推進している。
佐那河内小中は、平成30年4月に2年間の準備期間を経て、小中一貫教育校に移行し、小中9年間の教育課程を編成するとともに、小・中の教職員が合同研修を通じて他校種の教育内容を把握し、乗り入れ指導などの取組を進めている。
大島教育長の講演では「特色と魅力ある小中一貫教育」と「村を挙げた英語教育」をリンクさせて取り組む村内の実践を紹介。「二つの施策をリンクさせて同時に展開することで村を挙げた英語教育の指導に関わる関係者が一堂に会し、理念と指導を共有し、専門機関の指導を受けながら指導の改善を進めている」と報告した。
また、小中一貫教育を開始した平成28年に「小1からスタートする9年間の系統的な英語教育」と「ふるさとの良さや課題について学び、自分にできることを実践し、発信する“ふるさと学習”」の二つを柱に設定。
その後、小中合同の「児童生徒会」の新設や、公開授業、研究発表等を行う「実践地区交流会」など特色ある取組で着実に改革を進めてきたことを伝えた。
さらに29年には、小中合同研修や校内授業公開、9年間の教育課程の見直しなど、取組の充実・浸透・周知を進めたほか、チーム・ティーチング(TT)体制の充実と教職員の空き時間の確保など人の配置、指導体制の充実にも力を入れてきた。
令和2年からは、新たな柱として「タブレット端末を活用した先進的なICT教育」を追加し、3本柱で取組を進めていることを報告した。
続く倉橋校長の講演では実際に取り組んでいる小中一貫教育の実践を写真と共に紹介した。
倉橋校長は「質の高い“特色と魅力ある教育”を持続させるためには、教育行政と学校運営の意識的・意図的な連携を進めることが必要」と指摘。「一貫教育を評価し、成果と課題を常に確認しながら新しい取組にチャレンジしてこそ持続できる」とし「教職員が9年間を通して指導することについて高い意識を持つことと、指導力の向上が核になる」と説いた。
このあと参加者は「体制整備」と「指導計画・作成・活用」の部会に分かれて協議を行った。
(道・道教委 2024-09-26付)
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