北翔大 小樽稲穂小で学校体験ツアー 子どもに温かく接する 即戦力の教師目指して研鑚(学校 2024-09-26付)
北翔大小樽稲穂小で学校体験ツアー
【小樽発】北翔大学は19日、道教委の学校力向上総合実践事業実践校に指定されている小樽市立稲穂小学校(遠藤隆典校長)で学校体験ツアーを実施した。同大教育文化学部教育学科初等教育コースの教員を目指す学生が参加。「子どもに温かく接する」ことを意識し、授業補助などに取り組み、教職の実際、やりがいについて理解を深め、将来への糧とした。
事業は、同大教育学科初等教育コースが企画しているもので、前年度から試行実施、本年度から正式に実施している。年4回実施予定のうち、この日は2回目。1年生9人、2年生10人、4年生2人の計21人が参加した。
はじめに、遠藤校長は学生たちに対し「教師が考えた授業展開どおりに子どもを誘導していくのではなく、目指すゴールは同じでも、子ども一人ひとりが自分のペースや自分の方法で学んでいくことをサポートできる教師になってほしい」とエールを送った。
その後、学生たちは「子どもに温かく接する」ことを意識して、各学級担任の授業補助を行った。学習が遅れがちだったり、問題が難しいと感じたりしている子と同じ目線でアドバイスの言葉をかけたり、丸付けなどを行ったりした。
休み時間には子どもたちと触れ合ったほか、給食指導の補助にも努めた。
午後は「チーム学校の一員として心がけていること」について、稲穂小の田口悠夏教諭の進行のもと、同校の若手教諭代表の河邉実優教諭、髙橋ゆら教諭を交えてパネルディスカッションを行った。
河邉教諭は「日常の先生方とのあいさつをとても大事にしている。あいさつによって気持ちが伝わり、そこから仕事の共通理解を図ることもできる」と述べた。
髙橋教諭も「先輩に相談する時は、相手の時間を奪わないように、相手が不快に思わないように、できるだけ短い時間で分かりやすい相談になるよう心がけている。そして、いつか相談してもらえる側になってチーム学校に貢献したいと思っている」と相手意識の大切さを指摘。「本年度の公開研究会の授業者に自分から手を挙げたように、進んで自分の力を磨き高めたい」と付け加えた。
田口教諭は「学校は企業と違って、先生方、職員みんなが、子どもたちの成長のためにということを中心に据えて仕事をしている」と学校での自分の役割から仕事、言動を考えていくことの大切さを説いた。
同大1年生の武正星七さんは「教師の仕事は楽しいだけではないことをあらためて知ることができた。先生方同士でより良い関係を築き、悩みを一人で抱え込まないことが自分自身を壊さないことの一つだと学んだ。理想の教師像に近づけるよう、今回、吸収できたことを生かして頑張りたい」と話した。
2年生の若林さくらさんは「子どもたちが自分の意見をしっかり持っていて、それをどんどん発表する主体性があった。ここまで本格的にICTを使っている授業を初めて見たので勉強になった。チーム学校を中心とした組織体制を知ることができ、子どもたちのために教師一人ひとりが同じ目的意識を持ち、情報を共有する、温かい学校をつくっていくことの大切さを学んだ。自分もいつか、稲穂小の教師のように素晴らしい教師になりたい」と述べた。
事業担当の神守一志教授は「テーマを定めて子どもたちと関わってみる、チーム学校の取組として心がけていることを直接、先生に聞けるという質の高い体験を通して、学生には、大学で学んでいることを学校現場の視点でさらに深めるとともに、より良い教師を目指そうとする姿勢を高めてほしい。卒業後、学校にとって即戦力となる教師、子どもにとって出会えて良かったと思えるような光り輝く教師になってほしい」と期待を寄せた。
同事業は、10月18日と11月22日にも実施する予定。
(学校 2024-09-26付)
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