岩農高 DXハイスクール指定受け 産官学連携し人材育成へ ドローン操縦士取得可能に
(学校 2024-09-26付)

 【岩見沢発】文部科学省の高校DX加速化推進事業(DXハイスクール)の指定を受けた岩見沢農業高校(野村博之校長)は、産官学連携によるデジタル人材育成プログラムを展開する。10月にも、岩見沢市や大学などの関係機関と連携したデジタル人材育成協議会を設立。7年度から生徒によるドローン操縦ライセンスの取得が可能になる教育課程を編成するなど、農業生産現場や農業土木関連産業に求められるデジタル人材の育成に資する。

 市の基幹産業である農業を取り巻く環境は、農家戸数が減少するとともに、農業就業人口の高齢化が顕著に。一方で、1戸当たりの経営耕地面積が増加するなど、後継者不足、労働力不足が深刻化している。

 同校は本年度、文科省DXハイスクールの採択を受け、情報、数学等の教育を重視するカリキュラムを実施するとともに、ICTを活用した文理横断的・探究的な学びの強化に乗り出した。

 事業は①地域産業界で活躍するデジタル人材の育成②ドローン操縦士の養成③地域DX化の推進に寄与する人材の育成―の3点。5ヵ年計画で学習プログラムを整備する。

 教育課程をみると、農業科学科および農業土木工学科の1年生を対象に、科目「農業と情報」「課題研究」における実践を開始。農業科学科では、農業生産に関わるデジタル機器活用やプログラミング学習、資源循環型スマート農業への理解を深める。

 農業土木工学科では、農業土木施工におけるデジタル機器活用、分析学習の推進に関する理解を深める。

 また、情報Ⅱの内容を含む学校設定科目「AGRIデジタル活用」を開設。農場教室をスマート農業の推進に関する授業に対応したスペースとなるよう整備する。

 一方、ドローン操縦士養成に向けては、本年度、農業科学科・農業土木工学科の教諭が防除用および産業ドローンの操縦資格を取得。次年度から、生徒のドローン操縦士のライセンスの取得が可能になる教育課程を編成する。

 2年目は、教育内容の検討と改善、他学科への拡大を見据えた準備を進める。3年目には、畜産科学科、生活科学科、森林科学科を含めた5学科で実践を開始。飼料作物ほ場でのリモートセンシング実施と分析の学習や、栽培データ分析やマーケティング学習、森林管理におけるICT機器の実践などを計画している。

 4年目には食品科学科、環境造園科を含めた全7学科での実践に結び付けたい考えだ。

 10月には、岩見沢市、北海道大学、酪農学園大学、をコアメンバー、NTT東日本などをサポートメンバーとする「岩見沢農業高校デジタル人材育成協議会」を設置する予定。実施内容全般にわたっての指導助言を求めるとともに、講師派遣や教育プログラムに関する指導・評価・改善に向けた具体的な取組に着手する。

 野村校長は「今後は全ての学科で、産業界や大学等との連携を深め、食料・農業・農村・環境分野の農業DX化を推進することで、新たな価値を創造できる職業人材を育成し、将来の北海道の持続可能な農業生産・社会形成につながる農業教育を着実に実行していく」と展望を述べた。

(学校 2024-09-26付)

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