道教委など 建設DXセミナー 誰もが活躍できる業界 建設ディレクター等取組紹介
(道・道教委 2024-10-03付)

 道教委と道建設部は9月26日、教員向け建設DX理解促進セミナーをオンラインで開催した。DX化が進む建設業の現状や、建設業における新たな職域「建設ディレクター」、地元建設業協会と連携した企業実習の取組などを紹介。参加者は、ICTを活用することで、働き方改革が進むとともに、女性が活躍できる業界に変貌を遂げている建設業への理解を深めた。

 セミナーは、本年度から2ヵ年で取り組む北の専門高校ONE―TEAMプロジェクトの一環。高校の進路指導担当教諭らが、DX化が進む建設業に対する理解を深め、本道の産業構造の変化に対応した進路指導の充実に資することを目的に開いた。

 道建設部建設管理課の河端有希子課長補佐はあいさつで、建設業が地域の生活基盤を支える重要な役割を果たす一方で、深刻な担い手不足に陥っている状況に危機感を示した。セミナーを通して「工業高校はもちろん、普通科高校の生徒も活躍できる建設産業の魅力を知って、将来の選択肢の一つとして考えてもらいたい」と期待した。

 荒井建設㈱(旭川)の岡﨑竜志取締役土木技術部長は「DX化に伴い変革が進む建設業における業務内容と働き方」をテーマに講話。情報通信技術や3次元モデルを活用した施工や業務が進んでいることで、働き方改革や女性技術者の活躍の場が一層広がっていることを伝えた。

 一般社団法人建設ディレクター協会の藤田歩実氏は、建設業における新たな職域「建設ディレクター」の概要を紹介した。建設ディレクターは、ITとコミュニケーション力で現場を支援する新たな職域として注目を集めている。これまで現場代理人が担ってきた施工体制台帳や安全書類、施工計画書取りまとめの補助や、UAVなどを使った測量および点群データ処理、3次元設計補助などを担う。

 建設ディレクター資格の認定者は全国で2000人を超え、道内でも300人近くに上る。男女比率は女性が75%を占め、年齢構成も10~20代が40%に達している。

 実際に女性ディレクターを採用・活用しているヤマグチ㈱(鹿児島)の担当者は「書類作成や整理をしてくれるので、残業がほとんどなくなった」「事務所がきれいになった」などの好影響が出ていると話した。

 同社で建設ディレクターとして勤務する長坪和さんと原田杏瑞さんは「現場監督からの“ありがとう”という言葉や、新しいことに挑戦できることにやりがいを感じる」「専門高校出身ではなく不安はあったが、入社後にいろいろなことを覚えることができた」などと話し、女性が活躍できる職種であることをPRした。

 このあと、室蘭工業高校の鈴木圭吾教諭が地元建設業協会と連携した企業実習の取組を紹介。8年度の本格実施に向けて、建設業の魅力を感じられる授業づくりに努めていることを示し「互いに協力することで、建設業のイメージアップや担い手不足の解消につなげるという目標に向かってぶれずに進めたい」と述べた。

(道・道教委 2024-10-03付)

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