道教委 健康教育推進研究協議会 生きて動くマニュアルに 学校保健の仕事は危機管理
(道・道教委 2024-09-30付)

健康教育推進協議会
健康教育推進協議会

 道教委は24日、札幌市内の道第二水産ビルで健康教育推進研究協議会(石狩・後志会場)を開催した。帯広農業高校の寺嶋理恵子養護教諭が「学校保健の仕事のすべては危機管理でできている」と題して講演。子どもたちの危機管理全てに関わる学校保健の役割とともに、熱中症対策や事件発生時の心のケアのポイントを伝えた。

 協議会は各学校・地域の実態に即した健康教育推進の方策を学び、健康教育・食育の充実を図るため5年度から開始。道内3地域での開催を予定している。

 石狩・後志会場のテーマは「危機管理」。オンラインを含め各校種の養護教諭、栄養教諭、管理職ら約180人が参加した。

 はじめに健康・体育課の国安隆課長があいさつ。子どもたちの健康課題が複雑化・多様化する中、校長のリーダーシップのもとで学校の組織的体制の整備・充実を図るとともに、地域・家庭と共に健康な生活を送るための資質・能力を育てていく重要性に触れ「各学校や地域の実態に即した健康教育推進の方策を学び、取組の充実に生かしてほしい」と期待した。

 つぎに同課の篠原弥智係長が本道の健康教育の課題・対応について説明。メンタルヘルスの対応では自殺のリスクの高いサインを見逃すことなく、全教職員で共有して対応するよう呼びかけた。

 続いて帯広農業高の寺嶋養護教諭が講演。日々の傷病への対応に始まり、アレルギーや熱中症防止、法改正や通知・通達の情報提供・情報共有など養護教諭の役割を説いた。

 また、簡易型空調機器の効果といった自校のデータ検証や、学校や地域の特色・強みを言語化・把握することの大切さを伝え「困った時やうまくいかなった時こそ改善のチャンス。子どもたちの命を守るため、地域や学校の特性・資源を理解して実践につなげてほしい」「ガイドライン・通知が求めていることを実際に運用し“生きて動くマニュアル”にすることが大切」と述べた。

 このほか、熱中症指導のポイントや事故・自殺・災害発生時における心のケアについて解説。全校生徒の表情をしっかりと見るスクリーニングやスクールカウンセラーとの調整など初動対応の重要性を伝えた。

 講演後、真駒内キッズクリニック小児科アレルギーエデュケーターの大竹由香穂氏が食物アレルギーについて講話。浜頓別町教委の泉大吾教育長は2月に福岡県みやま市で発生したウズラの卵による窒息事故を受けて行った救命研修を紹介し、万が一の対処をプロから学ぶ危機管理意識の重要性を説いた。

 次回渡島・檜山会場の研究協議会は10月7日に函館市亀田交流プラザ、釧路・根室会場は11月11日に釧路センチュリーキャッスルホテルで開催する予定。

(道・道教委 2024-09-30付)

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