道教委 探究×金融高校生セミナー 価値を見いだす力を お金の循環システム等学ぶ
(道・道教委 2024-10-04付)

 道教委は9月24日、「S―TEAM教育推進事業」特別企画の第2弾として「探究×金融」高校生オンラインセミナーを開催した。非営利㈱eumo代表取締役の新井和宏氏が講師を務め、金融経済の仕組みやお金の循環システムなどを解説。新井氏は、経営者にとって自分だけの価値を見いだす力を身に付けておく重要性を説いた。

 セミナーは、S―TEAM教育推進事業の一環でことしから実施しているもの。多様な経験を持ち道内で活躍する人材を講師として招き、高校生が主体的に探究する価値のある課題を見いだすことを目的としている。

 第2弾となる今回の講演テーマは「金融」。金融に関心を持ち、探究活動に積極的に取り組もうと考えている道立高校の生徒54人が参加した。

 講師を務めた新井氏は、国内系信託銀行、外資系金融機関で多岐にわたる運用業務に従事。その後、新しい投資会社の創設を経て、東京都からニセコ町に移住し、現在、共感コミュニティ通貨eumoを創設・発行している。

 講演で新井氏ははじめに、お金の定義について説明。交通系のICカードや、スマホアプリで利用するペイメントサービスなど、お金の形は多様であることを伝えた上で「お金は幸せになるための手段に過ぎない。お金を手に入れようとするのではなく、幸せになるために自然とお金は関わってくる」などと説いた。

 また、価格と価値の違いについて「何かを買う時に支払うものが価格、何かを買う時に手に入れるものが価値」とし「この価格と価値の違いを本質的に理解することが大事」と指摘。その上で「自分で価値を見いだす力がなかったら起業はできない。経営者のほとんどは、自分がやろうとしていることに周りが反対したからやったというケースが多い」と、自分だけの価値を見いだす力を身に付ける重要性を説いた。

 このほか、情報化社会の現代において、インターネット上にうその情報がまん延していることにも触れ「本当の情報に触れるためには、経験や体験が大事」と強調。「基本的に普段皆さんが触れているのは二次情報・三次情報」。自分自身の経験や体験に基づいた一次情報の価値の高さを強調し「それが本当なのか自分の目で確かめる必要がある」と述べた。

 参加した高校生からは「起業する人はほかの人が見いだしていない部分に価値を見いだし、それを商売にしているという話が印象的だった」「お金は増えない、手にしているお金が多く見えるだけという話が印象に残った。逆に売り上げを増やす、お金が循環すれば、月収が増えるという循環システムを聞いて、今まではお金をためることを重視していたが、循環させることが幸せにつながるという新しい視点が切り開けた」などの感想が寄せられた。

(道・道教委 2024-10-04付)

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