文科省 地方教育行政功労者表彰 道内市町村 8人に光 当別町教委の武岡委員ら(国 2024-10-07付)
文部科学省は6年度地方教育行政功労者表彰(文科大臣)の受賞者を決定した。道内からは、当別町教委の武岡和廣委員ら市町村教委の関係者8人が栄誉に輝いた。表彰式は10日、文部科学講堂で執り行う。
表彰は昭和58年度から実施。地方教育行政においてその功労が特に顕著な教育委員会の委員または教育長を文科大臣が表彰し、その功に報いるとともに、地方教育行政の発展に資することを目的とする。
6年度の道内受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=
▼武岡和廣(当別町教委委員)
町内の全中学校区において、各小・中学校を行き来し教科指導を行う「小中一貫教育推進講師」の配置や、併設型による小中一貫教育を石狩管内で先駆け、平成28年度に導入し、コミュニティ・スクールの取組を進めるなど、町内における小中一貫教育の取組を推進した。
また、令和3年度から、町内の全中学校区においてふるさと教育、国際理解教育、キャリア教育の3本を柱とした教科横断的な学習である「とうべつ未来学」を開始し、当別の子どもたちが当別を知り、当別の未来について考え、発信する力を育むことに尽力した。
▼十河昌寬(前積丹町教委教育長)
平成30年度から、道徳科を中心に町内の小学校3校によるタブレット端末を活用した合同授業を実施するなど、小規模校における対話的な学びの実践について研究し、町内外の教育関係者に研究成果を公表するなど、小規模校における教育の質の向上に取り組んだ。
また、平成27年度から「海洋センターを活用した地域コミュニティの再生に関するモデル事業」を実施し、高齢者を対象とした転倒予防教室によるスポーツ振興のほか、子ども用のキッズスペースの設置など、地域の「コミュニティの場」としての施設の利用推進に取り組んだ。
▼永田裕(前北斗市教委教育長)
平成26年度に、各学校に英語教育に係る教育活動推進教員を配置したほか、まちの魅力を英語で紹介するパンフレットの作成・配布を行う校外学習活動や、街中探検などを通して楽しみながら英語に触れる機会を与えるイングリッシュキャンプ等、市独自の英語学習の取組を行うことを通じて、子どもたちの外国語の力の推進に取り組んだ。
また、市内の無形民俗文化財である「上磯奴」「大野ぎおんばやし」について、土曜学習や放課後学習の機会を活用し、小・中学校の教育に取り入れるなど、地域の文化財の継承に注力した。
▼二ツ川越子(前美瑛町教委委員)
平成28年度から、学校運営協議会を導入し、地域に開かれた信頼される学校づくりを推進するとともに、町内の各学校への訪問や、学校の取組や児童生徒の姿を積極的に地域に発信することなどを通して、学校に対する地域の理解と関心を深める活動に取り組んだ。
また、高齢者が喜びや生きがいと心豊かな暮らしに役立つ知識や教養を身に付ける「美瑛町すずらん大学」では、令和4年度に「スマートフォン教室」などの特別講座を提案するなど、学習ニーズや生活課題に対応した学習プログラムの開発と運営に関わり、町民が生涯にわたり主体的に活躍する機会や場面を設けた。
▼山口芳徳(前羽幌町教委教育長)
平成29年度に実施した天売高校の学生寮の改修を通して、生徒の住宅環境の確保に取り組み、生徒の募集範囲を道内各地に拡大するなど、離島留学の推進と天売島の地域振興に大きく貢献した。
また、令和2年度に「羽幌町子どもの読書活動推進計画(第3次)」を策定し、9か月健診時における絵本の贈呈や読み聞かせ体験講座の開催のほか、小学生向けに夏休みに向けた図書の貸し出しを行う「学校ブックフェスティバル」の開催など、子どもの読書環境の整備に寄与した。
▼表純一(前稚内市教委教育長)
教師や学校、家庭や地域の人々が一致団結して教育力を高め合う「子育て運動」の理念を継承し、稚内型のキャリア教育を推進した。特に、平成25年からは市内の小学校3・4年生を対象とした「放課後学力グングン塾」を週2回開催するなど、放課後における子どもたちの学習機会を確保し、基礎学力の定着に取り組んだ。
また、平成25年から稚内発祥の郷土芸能である「南中ソーラン」を市民に根付かせ、広く内外へ発信する取組として「子ども芸能祭・南中ソーラン祭」を開催し、市内の文化発展に貢献した。
▼林秀貴(前訓子府町教委教育長)
令和3年から、各学校の職場訪問や見学学習に協力する町内の企業・団体による「学校応援団」の組織化を図り、町内の産業や歴史など、地域について学ぶ取組であるふるさと教育「くんねっぷ学」を展開するなど、地域と一体となった特色ある学校づくりを推進した。
また、平成28年から実施している「アート・タウン・プロジェクト」においては、武蔵野美術大学と連携した彫刻制作のワークショップや対話型の作品鑑賞会を行い、町内の芸術文化の振興に貢献した。
▼萬屋志都子(前羅臼町教委委員)
平成24年度から、知床の自然を生かした教育を推進するため、幼稚園から高校までを対象に、地域の自然環境と暮らしから持続可能な未来について学ぶ「知床学」として、ヒグマの生態や海の成り立ちについての学びに取り組むなど、地元の自然に対する愛着を育む取組を推進した。
また、令和6年に開館した町立図書館の移転計画の策定を進めるに当たり、児童生徒用の学習スペースや親子で本を楽しめる小上がりスペースの新設について提言するなど、生涯学習施設の整備に尽力した。
(国 2024-10-07付)
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