鵡川高 むかわ学Ⅲ提言発表会　町の振興策　生徒が提案　探究３年間で様々な企画

（学校 2024-10-09付）

鵡川高校むかわ学提言発表会

　【苫小牧発】鵡川高校（柳本高秀校長）は９月中旬、むかわ町内の道の駅四季の館で「むかわ学Ⅲ」提言発表会を開催した。３年間、むかわ町について探究を進め考え出した地域振興策などについて、一般町民らを前に堂々と発表した。

　同校では、町に係る課題の探究活動（課題研究）を通して持続可能な地域創生のための基礎的な知識や技能を身に付ける「むかわ学」を実施。

　１年生はフィールドワークや巡検を通して、課題の発見方法や手法について学ぶ「むかわとつながる」、２年生は行政の視点や、課題についてゼミごとに掘り下げて探究活動を行う「むかわを深める」、３年生は課題についてゼミごとに掘り下げて探究活動を行い、高・大・地連携事業による札幌大学の学生の力を借りながら、様々な活動を行っている。

　本年度は１３の班に分かれ、町の人口増加や経済活性化につなげる振興策を企画。調査・検討を経て、プレゼンテーションの準備を進めてきた。

　この日は、全校生徒１３６人のほか、保護者、一般町民や、生徒の探究活動を支援してきた札幌大の学生、むかわ町立鵡川中学校の３年生など約２８０人が参加した。

　はじめに伊與部明教頭があいさつ。「異常気象や紛争、物価高騰など社会情勢は安定していないが、１３の提言発表がこれからのむかわ町の様々な活動のきっかけ、ヒントになることを期待している」などと述べた。

　続いて各班が探究の成果を提言。町内イベント企画班は「コスプレイベントや小中学生を対象としたゲーム大会を開催した。小中学生とは関わる機会が少なく鵡川高校のことを知らないので、ゲームを通し入学者が増えるきっかけになればと考えた」などと述べた。

　「パルクール」の鬼ごっこプロジェクトを考案した班は「走る、登る、つかまえるといった要素と鬼ごっこを組み合わせ、子どもたちの健康増進と町の活性化につながればと考えた」「道具不足が問題点で、学校にあるものだけでは安全性が十分ではない。後輩に引き継いで町の恒例行事にし、正式な大会として全道から子どもを集め町の活性化につなげたい」との意欲を示した。

　ゲームイベント班は「子どもを対象としたイベントが少なく、町の知名度も低く交流人口が不足しているので、ペットボトルロケット大会を全国の小学生に告知して行いたい」との計画を示した。

　このほか、スポーツによる町の振興や世代間交流、町の特産品を使った商品開発、町のＢＧＭ作成、ＳＮＳによる高校の魅力発信など、様々な企画が発表された。

　各班の発表後には町や札幌大などの関係者から「お金はなるべくかけない方法で考えてほしい。廃棄物やリサイクルで作る、町の住民にお願いする、団体に協力を願うなど工夫してほしい」「民間団体として似たような取組を行っているので、コラボするのもいいかもしれない」「イベントは手段であり、目的は交流人口を増やすこと。そのことを忘れなければもっと良い取組になる」など様々な意見や質問などが出され、生徒たちは質問に答えたり改善案を受け止めたりしていた。

(学校 2024-10-09付)