渡島局事業で南茅部高縄文クラブ　ＪＯＭＯＮのＰＲへ　胆振管内の遺跡視察など

（学校 2024-10-02付）

　【函館発】南茅部高校（三浦信一校長）縄文クラブの生徒は９月中旬の２日間、伊達市および洞爺湖町内の縄文関連施設の視察等に参加した。渡島教育局「渡島フロンティア人材育成事業」の一環。生徒たちは管外の縄文遺跡から新たな学びを得たほか、幼児に向けて縄文文化の普及活動に励んだ。

　同校は、渡島局が４年度から３ヵ年計画で進めている独自事業「渡島フロンティア人材育成事業」の指定を受け、縄文文化に関して理解を深め、地域と協働した普及活動に取り組んでいる。

　地域の縄文文化を支える人材の育成・確保を目的とする渡島総合振興局「ＪＯＭＯＮ渡島高校生ＰＲサポーター事業」を兼ねており、今回、縄文クラブに所属する生徒４人が胆振管内２市町を訪問。

　前年度は縄文遺跡が所在する青森県を訪れたが、本年度はより見聞を広めようと、同じ道内で異なる時代・地域の遺跡が所在する胆振管内にスポットを当てた。

　生徒たちは、伊達市の北黄金貝塚情報センター、洞爺湖町の入江・高砂貝塚館を訪れた。生徒たちは「海が近いため、海に関連する道具が多く、貝よりも魚を取っていたことが分かった」「すり石が見た目によらず重く、当時は料理が大変だったんだなと実感できた」と感想を寄せた。

　また「貝のおかげで土の酸性がアルカリ性として骨などが残ることが科学的で勉強になった」と、日頃の教科学習と関連させて学びを深めた。

　伊達市のつつじ保育所、洞爺湖町の京王幼稚園では、デジタル紙芝居の実演に加え、新聞紙等を活用して製作した釣りや的当てのゲーム、粘土に貝で模様を付ける体験などを実施。木の実に顔を付けたり、塗り絵をしたりするなど、幼児が家に作品を持ち帰って学びを振り返られる工夫を凝らした。

　今後の活動に向けて、生徒たちは「ただゲームを楽しむのではなく、縄文時代は狩りをしないと食事ができないことを知ってもらうためにうまく説明していきたい」と改善点を洗い出した。

(学校 2024-10-02付)