元校長の“学校アップデート！”　№１７　“目指す姿"を子どもの目標に

（札幌市 2024-10-23付）

　学校評価のために「児童・生徒アンケート」を実施している学校が多いと思います。評価のため(実態を把握するため)のアンケートならば、子どもが事前にアンケート項目を知らなくても良いのかもしれませんが、子どもが目標を持ち、主体的に活動する姿を目指すならば、事前にアンケート項目を提示し、子どもにとっての目標に転化するように指導することが必要です。そのためには、「児童・生徒アンケート」の実施時期に、子どもがアンケート項目を初めて知るような取り組み方をしていてはいけません。

　平岸西小(子どもたちを「りんごっ子」と呼んでいた)では、子どもが目標としてほしい「目指す姿」をアンケート項目として設定し、「児童アンケート」の項目を“りんごっ子チャレンジ"として事前に提示し、子どもにとっての目標となるように指導していました。アンケート項目は、子どもにとってアンケートを実施する時に初めて知るものではなく、常に「目指す姿」として意識しながら学校生活を送るための目標にしてほしいと考えたのです。

　そこで、新たに設定した教育目標「学び・思い・仲間がつながる楽しい学校」と関連を図ったつぎのような目指す姿(一部抜粋)を事前に知らせた上で、アンケート項目にしました。

　「りんごっ子チャレンジ」のねらいを保護者にも伝え「自分のことが大好きな自分」になるような自尊感情を高める関わりをお願いしました。

【りんごっ子チャレンジのねらい】

　目指してほしい姿が子ども自身の目標となり「なりたい自分」「もっとできる自分」を目指して主体的に取り組み「あこがれ」「思いやり」があふれる「学び・思い・仲間がつながる楽しい学校」をつくる子どもたちを育んでいくことをねらいとしています。また、子どもの実態を把握するための児童アンケート(前・後期の２回実施)の項目にして、アンケート結果を教育活動に生かしていきます。

　また、「りんごっ子チャレンジ」は厚紙で印刷し、子どもにとって常に目標となるように目に付く場所に貼っておくように指導しました。「絵に描いた餅」にならないようにするためには、学校での子どもの良さを価値付けていく教師の関わりが必要不可欠です。

北原徹也　(北海道特別活動研究会顧問、元札幌市立平岸西小学校長)

(札幌市 2024-10-23付)