道 ヤングケアラー当事者アンケート 半数が「気持ちが不安定」 相談先や経済的負担解消を
(道・道教委 2024-10-28付)

表1
ヤングケアラーアンケート調査(クリックすると拡大表示されます)

 道がヤングケアラー当事者20人を対象に実施したアンケート調査結果がまとまった。ケアをしていて大変なこととして「自分の時間がない」「気持ちが不安定になる」などの意見が多く上がる一方、「生活面で成長できた」など、ケアを自身の成長へと結び付ける肯定的な回答もあった。また、ヤングケアラーへの支援として、自身の現状を話せる相談先や経済的負担の解消を求める声が多く寄せられた。

 調査は、8月9日~10月6日の期間にヤングケアラー当事者から意見を聴取。高校生以上(16~28歳)16人、中学生以下(小学6年生~中学3年生)4人が回答した。

 ケアを始めた年齢について、高校生以上は13歳が37・5%で最多。10歳が18・75%、18歳が12・5%と続いた。

 ケアしている人数は「1人」が全体の6割以上を占める。一方で「5人以上」のケアを行う者もいた。

 ケアの相手について、高校生以上は「きょうだい」が最も多く、中学生以下は「父母」が多い。ケアが必要な理由は「幼い」「こころの病気」との回答が多く、「身体障がい」や「発達障がい」も理由として上がった。

 ケアの内容をみると、食事の準備、掃除、洗濯などの「家事」が全体の5割を占める。感情面のサポートとして「話を聞く」「きょうだいの世話や送り迎え」も共に3割を超える結果となった。

 ケアの時間帯は、学校や仕事から帰宅後~23時ころまでの「平日の夜」が85%で最も多く「休日」が75%で次いで多かった。

 ケアをしていて大変なこと・困ったことでは、約半数が「自分が自由になる時間がない」「気持ちが不安定になることがある」と回答した一方「大変なことや困ったことはほとんどない」との回答も同数程度みられた。

 あったらいいと思う支援、制度、取組では「自分の今の状況について話を聞いてほしい」「家族の世話をしている人たちと話ができる居場所」など、自身の状況を話せる相談先や同じ境遇を持つ人と話す機会の創出を求める声が多い。また「家庭へのお金の面での支援」と経済的負担の解消を求める声もあった。

 一方で、ケアをしていて良かったと思うこととして「生活面で成長できた」「家事が自分一人で幼いころからできるようになった」などの意見が多く上がった。

 道の取組に対しては「もっとたくさん支えてくれる人が増えてほしい」「話を聞いてそばにいてくれる人がセンター長のほかにもたくさん必要」「話をできる場がたくさんほしい」などの意見が寄せられた。

(道・道教委 2024-10-28付)

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