道教委 教員基礎探究アンケート 「教員になりたい」73・5% 教職の難しさに不安の声も(道・道教委 2024-10-29付)
道教委は、道教育大学と連携して取り組んでいる道高校「みらいの教員育成プログラム」における本年度「教員基礎探究」のアンケート結果をまとめた。受講前と比べ、全体の73・5%が「教員になりたいとの気持ちがとても強くなった」、全体の67・6%が「教員になる自信が付いた」と回答。一方で、講義や実習で教師の楽しさ・やりがいなどを知ると同時に、教職の難しさ・大変さを不安視する声もあった。
道教委と道教育大は、4年度から「みらいの教員育成プログラム」を実施。教員志望の高校生を対象に教員としての素養や意欲を高めるプログラムを提供している。3年生を対象とした「教員基礎探究」、2年生対象の「教員基礎」を設置し、道教育大との連携による各教育プログラムを展開している。
6~9月の期間に実施した本年度「教員基礎探究」には、全圏域を合わせて34人が参加。アンケートには、道央圏域から12人、道北圏域から16人、道東圏域から6人が回答した。
アンケート結果をみると、学校実習における児童生徒との関わりについて、全体の94・1%が「児童生徒が学ぶ様子を教師の立場から見ることができた」「教師の工夫や配慮に気付くことができた」と回答。一方で「自分から遊びに誘うことができた」は20・6%にとどまった。
学校実習で印象に残っている活動は「授業実習」が全体の約6割を占める。学校実習を経験した生徒からは「2回目の授業実習で前回指摘された点を改善することができた」「自分たちの力で一つの授業をつくり上げる貴重な体験ができた」などの感想が寄せられた。
教員基礎探究の受講前と比べ、自身の教職への志望等の変化について、全体の73・5%が「教員になりたいとの気持ちがとても強くなった」と回答。その理由として「実習や講義で教員の魅力をより知ることができた」「憧れの先生にインタビューしたことで自分がしたいことが明確になった」などが挙がった。
また、同様に受講前と比べ、全体の67・6%が「教員になる自信が付いた」と回答。理由には「実習中はとてもやりがいを感じ、生徒と話している時や授業が終わったあとに、教師は自分に合っていると感じた」「生徒とは異なる視点で教師の姿を見ることができ、より具体的に教師像を見いだすことができた」などの声が上がった。
一方で、全体の8・8%が「教員になる自信がなくなった」と回答しており、「講義や実習のおかげで教師という職業の楽しさややりがい、働く上での工夫などを知ることができたが、同時に教師という職業の難しさも理解でき、自信と同時に不安も大きくなった」などの声もあった。
道教委は「本プログラムでは、高校生が児童生徒と関わることで教職と向き合い、現在、求められている教員としての資質・能力を学んだり、どのような教員になりたいか、どのような教員が求められているかについて深く考えたりする機会としている。将来的には、このプログラムで育った高校生が北海道の教員として活躍し、さらにつぎの世代の児童生徒の育成を担う存在になってほしい」と期待を寄せる。
(道・道教委 2024-10-29付)
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