東川養 学校公開、三瓶教頭講演(学校 2024-10-22付)
東川養護学校・三瓶教頭が講演
【旭川発】東川養護学校(業天誉久校長)は16日、同校で学校公開と子どもの適切な就学先の決定に関する講演会を実施した。保護者らに同校の授業風景を公開したほか、三瓶聡教頭が市町教育委員会の就学担当者を対象に「障がいのある子どもの適切な就学先の決定と就学時に決定した学びの場の柔軟な見直しを図るために」と題して講演。参加者らは、特別支援学校に通う子どもが有する障がいの程度や最適な学び場を考えることの重要性を確認した。
同取組は、特別支援学校に通う基準として定められている学校教育法施行令22条の3に規定する障がいの程度について理解を深めてもらい、通常の学級等と特別支援学校のどちらに通うことが子どもにとって適正かを判断する際の理解を深めていただくことが目的。
今回から参加対象を教育委員会の職員にまで拡大。これまでは同校への入学を希望する児童等の保護者のみだったが、職員が保護者へ就学支援をする際に適切な助言やサポートができることをねらいとしている。
当日は、保護者32人と旭川市教委、東川町教委、東神楽町教委、当麻町教委の職員6人が参加した。
開会式では冒頭、業天校長があいさつ。本年度から児童生徒がわかる・できる授業を目指して実践に取り組んでいることを話した上で「授業づくりをどのように行っているか、児童生徒が生き生きと活動しているかを見ていただけたら」と呼びかけた。
続いて、渡邉憲幸副校長が東川養護学校について説明。目指す学校像や学校教育目標を紹介した上で「農業が盛んな東川町に合わせ、小学部から高等部、そして卒業するまでの学びの過程を“芽吹き、育ち、実を結ぶ”という稲の成長に重ねたグランドデザインにしている」と解説した。
学校公開では、小学部と中学部の授業を公開。子どもの成長段階や障がいの程度に合わせた学習を行う様子を紹介。
学校公開と同時並行で行った三瓶教頭の講演では、学校教育法施行令22条の3に規定する障がいの程度を踏まえた学びの場の選択について説明した。
三瓶教頭は、保護者の希望や医療機関の診断などのみを理由にして、特別支援学校を就学先として決定することは適切な判断ではないと指摘。子どもの自立と社会参加を見据え、その時点で最も必要な教育を提供することが大切と話した上で「障がいの状態だけで学びの場を選ぶ枠組みに当てはめることは望ましくない」と訴えた。
その論理を踏まえ、特別支援学校等を検討する前に通常の学級でできうる支援を試みることを解説し「支援が必要だからといって直ちに特別支援学校や特別支援学級を考えるのではなく、できることの段階を踏むことが大事」と周知した。また、一度決定した学びの場は固定的ではなく、柔軟に見直すことの重要性を伝えた。
講演を聞いた教育委員会職員は「保護者らへの助言をする際に、今回学んだことを生かそうと思った」「通常の学級でできることから考えることを留意していく」などの感想を述べた。
(学校 2024-10-22付)
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