クラウドファンディングに協力を 生徒をパリサミットに 未来のカリキュラムへ提言 富 川 高
(学校 2024-11-05付)


パリに向け全力で準備を進めている(前列左から)丹野さん、柏木さん、大倉さん、ヴェネズエラさんと(後列左から)嶋田教諭

 【苫小牧発】富川高校(尾崎慎一校長)が、フランス・パリのOECD本部で開かれる「Education 2030プロジェクト∞(無限大)生徒教師サミット」への参加を目指し、クラウドファンディングにチャレンジしている。OECDからの招待を受け既に出場資格審査を通っており、あとは往復の旅費や宿泊費の問題のみ。目標額350万円に対し寄せられた寄付はまだ1割ほどで、同校では「小さな学校で資金が捻出できないが、せっかくの世界で学べる舞台に生徒たちを連れていってあげたい」と協力を求めている。締め切りは18日。

 同プロジェクトは、世界の国々から100を超える学校が参加し、国を越えた複数の学校が連携し、国際的な協力を通じて新しいカリキュラムを共創し、未来の教育をリードするための対話を進めるもの。

 サミットは、その一環として世界中の学校が集まり、教育の未来について議論し提言を行う場で、12月9日から11日にかけてパリで開催される。24ヵ国112校が参加する予定で、日本からの参加は30校。道内からは富川高のみ。

 同校は昨年、日高町の協力のもと富良野高校、道立総合研究機構と共に行った「地域自律管理型水道維持支援」に関する調査研究で第25回日本水大賞・厚生労働大臣賞を受賞した。

 これを機にOECDから「郡部の小規模校が地域と連携した質の高い探究学習を実践している」と高く評価され、プロジェクト∞への参加を推薦された。

 さらに、第42回豊かな海づくり大会北海道大会作品コンクール(作文)高校の部で入選。これらの活動を全編英語の動画にまとめた内容をユース水フォーラムへ応募し、ことし5月インドネシア・バリ島で行われた第10回世界水フォーラムにも招待された。

 本年度はこれらの集大成としてサミットに臨むとともに、OECDの提案でポルトガル、香港、日本の高校や小学校などと共創の取組を実施しており、オンラインを通じ全ての会話を英語で、時差の関係で午後9時台の会議になるなど、過酷な環境の中で「学校のウェルビーイング」「学校のセーフティ」「ワーク・ライフ・バランス」の3点について探究を進め「未来のカリキュラム」に向けた提言準備を進めている。

 メンバーは全て希望者で2年生の丹野湊妃さん、大倉優衣さん、柏木風奏さん、ヴェレンズエラ・ベルナベさんの4人。このうち丹野さん、大倉さん、柏木さんの3人と嶋田奨教諭がパリに渡航する予定。

 生徒たちはウェルビーイングについて「友達と話す時、ストレスのない状態で笑い合ったり話し合ったりできる学校ならば楽しく過ごせるはず」「生徒が先生に対し威圧感を感じずに意見を言えるようにすることが大切」などの探究を進めており、こうした考えをプロモーションビデオにまとめたり、各国の生徒と意見を交わしたりしながらパリでの提言に備えている。

 嶋田教諭は「生徒たちは非常に多忙なスケジュールをこなしており、パリまでの最後の1ヵ月間を乗り切ってくれれば素晴らしいものができると思う」と期待を寄せる。

 「学校の課題に対し解決策までを考え、世界のカリキュラムに影響を与えるサミットはまたとない貴重な機会。何とか生徒たちをパリへ連れていってあげたい」と協力を求めている。

 クラウドファンディングは2次元バーコードから。18日締め切り。

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(学校 2024-11-05付)

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