リーディングDX校の札幌発寒東小 授業や校務で積極的推進 50周年式典 AIで作曲等(札幌市 2024-11-07付)
式典
文部科学省のリーディングDXスクール事業に指定されている札幌市立発寒東小学校(鳥丸俊郎校長)は、授業や校務におけるDXを積極的に推進している。10月31日に開いた開校50周年記念式典と公開授業では、生成AIを活用したテーマソングの制作、配布資料のペーパーレス化など様々な工夫を取り入れた。
同校は、5年度からリーディングDXスクール事業指定校、生成AIパイロット校としてICTの良さや強みを生かした授業や校務改善を進めている。
開校50周年記念式典の開催に当たっては、児童たちから募った言葉をもとに、生成AIを活用してテーマソング「五十周年のお祝い」を制作した。
このほか、式典で上映するメッセージ動画については、制作に向けた関係者とのやりとりをデータ中心に実施。公開授業の指導案や研究概要といった資料をホームページに事前に掲載しペーパーレス化を図るなど、様々な場面でDXを取り入れた。
式辞に立った鳥丸校長は、学校教育目標「未来を拓く子どものふるさと」の実現に向けて「地域の皆さんと共に力を合わせながら主体的に変化に対応し、子どもたち一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出す教育を提供し続けていく」と力強く宣言した。
児童たちは、これまでの活動を振り返りながら喜びの言葉を述べ、全員で「ふるさと」を合唱した。
公開授業では、協働思考ツールや生成AIなどを効果的に活用した国語の3授業を公開。うち6年1組「“鳥獣戯画”を読む」「発見、日本文化のみりょく」(植村彩教諭、児童数25人)では、筆者の工夫を生かして、日本文化の魅力が伝わる文章を考えさせる活動を展開した。
同校は、研究主題に「自ら学ぶ意欲をもち、“できた”に喜びを感じる子の育成」を設定。情報活用能力の育成を目指し、視点①やってみたい(ぴったりの言語活動を考え設定)②できそうだ(振り返りを行い、自分の学びの積み重ねを実感)―の2点を重視した授業づくりを進めている。
単元では、筆者である高畑勲氏の工夫を参考に、日本文化の魅力を紹介する文章を書く言語活動を設定。学校ホームページで公開し、閲覧した人に伝えるという目的意識を持たせた。
10時間扱いの7時間目に当たる本時の目標は「自分の考えが伝わるように、事実や感想、意見を区別して書いたり、詳しく書いたりして、書き表し方を工夫することができる」と設定した。
児童たちは、文章を書く目的や内容を確認した上で、前時までにまとめたプロットをもとに端末を使って文章の作成にとりかかった。
途中、植村教諭は「どうすれば日本文化の魅力が伝わる文章になるだろう」と発問。筆者の工夫を生かして書くことができているかを意識させるため、交流する場面を設けた。
児童たちは「効果音を入れると分かりやすくなる」「体言止めを使って伝えたいことを強調した」「はじめに問いかけを入れて読者に考えさせる」など、様々な工夫点を共有した。
それを踏まえ、より良い文章を目指して作成を再開。
植村教諭は「友達と協力したり、生成AIに質問したりしてもいいよ」と呼びかけ、活用を促した。「体言止めを使った例文はあるか」「習字の効果音はあるか」など、生成AIを使った児童の例を紹介し、適切な回答を得るためにプロンプト(質問文)を工夫する必要性などを伝えた。
終末では、児童の文章を全体で共有し「問いかけをたくさん入れているね」「資料が入っていて見やすいね」などと価値付け、次時への意欲につなげた。
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公開授業
(札幌市 2024-11-07付)
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