道教委 自立指導改善セミナー 子の強みを生かして 小樽稲穂小の通級指導紹介(道・道教委 2024-11-22付)
自立指導改善セミナー
道教委は20日、札幌市内の道第二水産ビルで自立指導改善セミナーを初開催した。小樽市立稲穂小学校の桂野文良教諭が自校の通級の指導に関わる実践を発表したほか、道教育大学札幌校の山下公司准教授による事例提供などを実施。桂野教諭は、アセスメントの結果で分かった弱みを踏まえ上で、その子の強みを指導・支援に活用する大切さを説いた。
道教委は、本年度から文部科学省の委託を受け「効果的かつ効率的な巡回指導の実施に向けたモデル構築事業」に着手。通級指導を受ける児童生徒にとって効果的で効率的な通級指導を実施する自治体・学校モデルを構築するもので、実践の成果を普及・啓発することによって通級指導を必要とする全ての児童生徒が専門性の高い指導を受けることができる体制構築を目指している。
事業の一環で開催したセミナーは、通級による指導の実践発表や事例検討などを通して、アセスメントに基づく自立活動の指導の在り方について理解を深め、巡回指導リーダー教員の通級による指導に係る専門性向上につなげることがねらい。管内の巡回教員指導リーダー教員や各教育局の特別支援教育スーパーバイザーら25人が参加した。
開会に当たり、道教委特別支援教育課の髙橋顕二課長補佐があいさつ。「通級による指導の充実を図るためには、通級指導教室の設置・拡充に加え、担当教員の専門性向上が重要」とし「通級指導担当教員には適切なアセスメントとこれに基づく指導や支援を実施できる高い専門性が求められている」と指摘。セミナーを通して通級指導担当教員として求められる実践的な知識や技能を身に付け、その専門性を一層向上させるとともに、各地域における通級指導担当教育の中核となり、各地域における通級指導の一層の充実を図るよう求めた。
続く、桂野教諭の実践発表では、同校の通級指導教室に通う子どもの状況を説明。学校生活の様子や学びの状態などを解説し「保護者に子どもの興味や良いところを聞くことは大切。指導する際の糸口につながる」と強調した。
また、言葉や目で見て理解したり、考えたりする力などの数値を測定する子どものアセスメント結果にも触れ「保護者への理解を図るには、結果の数値だけではなく、子どもの具体的な状況と結び付けて伝える作業が必要」と指摘。「その子の弱みを踏まえた上で、強みを指導・支援に活用すべき」と説いた。
このあと、各巡回指導リーダー教員らの実践交流や事例検討を実施。道教育大札幌校の山下准教授が事例を提供し、アセスメントに基づいた指導の重要性を示した。
(道・道教委 2024-11-22付)
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