全国学力等調査北海道版結果①空知 ICTの利活用促進へ 教育局独自にオンライン学習会
(道・道教委 2024-11-19付)

 道教委がまとめた「6年度全国学力・学習状況調査北海道版結果報告書」における各管内の状況、分析および学力向上策に関連した特色ある取組をきょう19日から連載で紹介する。

空知

【分析結果】

▼小学校

▽多くの学校で、習得・活用および探究の学習過程を見通した指導方法の改善および工夫を行ったことによって、各教科等で学んだことを生かしながら、自分の考えをまとめる活動を行ったと回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

▽多くの学校で、算数の授業において、実生活における事象との関連を図った授業を行ったことによって、算数の授業で学習したことを、普段の生活の中で活用できないか考えると回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

▼中学校

▽多くの学校で、学習指導において、生徒が、それぞれの良さを生かしながら、他者と情報交換して話し合ったり、異なる視点から考えたり、協力し合ったりできるように学習課題や活動を工夫したことによって、授業や学校生活では、友達や周りの人の考えを大切にして、互いに協力しながら課題の解決に取り組んでいると回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

▽多くの学校で、授業において、生徒自ら学級やグループで課題を設定し、その解決に向けて話し合い、まとめ、表現するなどの学習活動を取り入れたことによって、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいると回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

平均正答率の経年変化(数値は全国平均との差)

小学校

中学校

【管内教育の重点(学力)】

▼新しい時代に必要となる資質・能力の育成

▽学校管理職・教員の授業観の転換を図るため、中教審答申「“令和の日本型学校教育”の構築を目指して」の背景や実現すべき学校教育の共有・学校のクリティカル・シンキング(批判的思考)の喚起のため、全国調査等の客観的なデータに基づき、自校の課題に向き合う学校管理職・教員の育成

▽ICTの日常的な活用を標準化するため、協働学習での同時編集機能の活用および端末を使った調べ学習、メモ入力等の充実

【具体的な改善策】

▼全学校・全管理職へのアプローチ

▽EBE協議会において、全国調査に基づく授業観・自校課題の協議、エビデンスの活用、改善マネジメントの協議を行い、授業観の転換を図る

▽学校教育指導において、義務教育指導監による学校経営指導と連携を図った連続性を重視した指導助言を行う

▼市町・教員への個別のアプローチ

▽「空知でVIEW(空知教育局独自オンライン学習会)」において、経験・職位別に授業観に係る協議およびICT利活用に係る先進事例の共有、実践演習などを行い、授業観の転換を図る

▽遠隔授業の試行・検証を行い、ICT先進校と周辺校をつなぎ、日常活用を促進する

▽圏域連携を行い、市町の枠を越えた巡回指導、合同研修を実施する

▽ICT利活用管内協議会を実施し、リーディングDX指定校の実践・成果の情報発信を行う

▽市町教育委員会学力担当者会議を実施し、要支援校の共有、教育委員会の指導性の向上を図る

【学力向上策に関連した特色ある取組】

▼教育局の学力向上策の概要

▽市町教育委員会学力担当者会議を開催し、学力向上に係る課題を共有、対応策を提案

▽EBE協議会等を通じて、全国学力・学習状況調査等の客観的なデータのクリティカル・シンキング(批判的思考)によって、自校の課題に向き合う管理職・教員を育成

▽局独自オンライン学習会「空知でVIEW」において、若手・中堅教員を中心に、授業観の転換やICTの日常的な利活用についての理解を促進するとともに、実践力を育成

▼学力向上策に関連した特色ある取組

〈取組のポイントとその具体〉

▽砂川市教委=市教委が指導性を発揮した小中連携の推進

・端末活用スキル系統表の作成

 市教委が児童生徒の発達の段階に応じた「端末活用スキル系統表」を作成し、市内全校で共通理解を図りながら、児童生徒の情報活用能力の育成に向けた統一した取組を進めた。

・家庭学習チャレンジ週間の設定

 市教委が、市内全校統一の「家庭学習チャレンジ週間」を設定するとともに、市PTA連合会の協力のもと、小中共通の「家庭学習の手引」を作成し、市内児童生徒の学習内容の確実な定着と望ましい学習習慣・生活習慣の確立に取り組んだ。

・学習過程・学習評価の共通理解

 市教委が、各種会議や研修等を通じて、市内全校に、指導と評価の一体化について、市教委の考え方を示し、市として一貫性のある授業改善を進めた。

▽砂川市立全小・中学校=小・中学校の教員による主体的な授業改善

・学校間の授業配信

 8年度の義務教育学校開校に向けて、市内全小・中学校が授業改善の視点の共有を図り、研究授業のオンライン配信を行うなど、学校間の学び合いを継続的に行った。

・小中合同研修会の実施

 市内全小・中学校の教員が、市教委が示す学習過程・学習評価の考え方を踏まえて、日常の実践に取り組み、その成果と課題を合同研修会で共有するなど、教員主体による授業改善が進められた。

▼成果・課題

▽管内の各教員の授業改善に対する意識改革が図られ、多くの学校において、学びの主導権を児童生徒に委ね、1人1台端末を活用しながら学びを深める実践が見られるようになってきた

▽教員一人ひとりが、全国学力・学習状況調査の結果のみならず、出題内容にも着目し、日常の授業改善の方策を検討するなど、児童生徒に求められる資質・能力について理解を深める取組を進める必要がある

(道・道教委 2024-11-19付)

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