道教委等 みらいの教員育成学校実習 教職の魅力を体感 高校生が小学生と交流など(道・道教委 2024-11-20付)
道教委と道教育大は、4年度から教員志望の高校生を対象に教員としての素養や意欲を高めるプログラムを提供する「みらいの教員育成プログラム」を開始。3年生を対象とした「教員基礎探究」と2年生対象の「教員基礎」を設置し、道教委と道教育大の双方が連携して、様々な教育プログラムを展開している。
今回実施した教員基礎では、大学進学後の学習の基礎的・基本的な内容を学習するほか、小学校の教育活動の体験や実習、教員との交流による教職理解を促進するもの。本年度から道北と道東圏域で拠点校以外の高校からの参加を可能にした。
道央圏では、札幌北陵高など道立高校の生徒32人が附属札幌小ととうべつ学園の2会場に分かれて実習。うち附属札幌小の会場には、札幌北陵高、札幌啓成高校、大麻高校、千歳高校から25人が参加した。
初日は、朝の会や学級オリエンテーションに参加し、児童たちと交流したほか、播磨義幸副校長と黒澤英靖教務主任が小学校の特徴や教師の仕事内容について講話した。
播磨副校長は、教員免許を持っていなければ教師という職には就けないことに言及。高校生たちに「教員免許がなければできない仕事とはどういうものなのかという視点で教師や子どもたちを観察してほしい」と呼びかけた。
黒澤教務主任の講話では、高校生に小学校とはどのような場所だと思うかを問いかけ、高校生から出てきた答えを「何かができるようになる場所」「経験を得られる場所」「人と関わる場所」の三つに分類。その後、人との関わりについて「今回、高校生が小学校を訪れていることは、子どもたちにとっても人との関わりを学ぶ重要な場になる」と強調し「学校の中で起こることは楽しいことだけではないが、やりがいもたくさんある。子どもたちがこの2日間楽しく学校に通えるよう、子どもたちと一緒に充実した時間を過ごしてほしい」と期待した。
このほか高校生は、授業観察や児童の活動補助、つぎの日の授業、学級レクに備えた教材準備などに取り組んだ。
2日目には、自身が興味・関心のある授業を観察したあと、配属された各学年・クラスで授業を実施。うち5年生の2クラスでは、道徳「けんきょな心で“約束”」の授業を展開した。
物語の主な登場人物は、図書館で宿題をする約束を破られ、衝動的にグループトークに悪口を書き込んでしまった陽菜と、約束の日に急に祖母が倒れ、連絡できずに約束を破ってしまった結衣の2人。授業では、双方の立場に立って考えることで互いの理解が深まることを知り、誰に対しても謙虚な心で接していこうとする心情を育むことをねらった。
高校生は、携帯電話やスマートフォンでのトラブルを想起させた上で、本時の目標として「友達とより良い関係をつくるために必要なことを理解する」を提示。教科書を範読し、陽菜と結衣の双方の心情を考えさせることで、児童たちに相手の立場に立って考えることや、広い心で相手を思いやることの大切さを伝えた。
授業後には、実習の振り返りを実施。生徒たちは「2日間の実習だったが、一日一日があっという間で、子どもたちの元気な姿に背中を押され、充実した楽しい時間を過ごせた」「実習前は大変なイメージもあったが、想像以上に楽しかった」などと振り返った。
河原秀樹主幹教諭は「高校生が熱心に実習に取り組む姿や子どもたちと積極的に関わる姿が頼もしく見えた」と2日間の実習を終えた高校生をねぎらい「実習で学んだことや感じたことを形に残し、今後の進路選択につなげていってほしい」と期待を寄せた。
(道・道教委 2024-11-20付)
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