全国学力等調査北海道版結果②石狩 「対話」重視し授業改革 ICT活用 3層で確実な指導
(道・道教委 2024-11-20付)

学力学習調査結果石狩チャート
教科全体の状況(クリックすると拡大表示されます)

石狩

【分析結果】

▼小学校

▽学習指導において、児童が、それぞれの良さを生かしながら、他者と情報交換して話し合ったり、異なる視点から考えたり、協力し合ったりできるように学習課題や活動を工夫したことによって、自分と違う意見について考えるのは楽しい、学級の友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、新たな考え方に気付いたりすることができていると回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

▽創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう、評価規準や評価方法の教員間での明確化・共有化や、学年会や教科等部会等の校内組織の活用等、組織的かつ計画的な取組を行ったことによって、国語の1領域1事項で平均正答率が全国および全道を上回り、算数の1領域で平均正答率が全国と同じで、全道を上回ったと考えられる

▼中学校

▽創意工夫の中で学習評価の妥当性や信頼性が高められるよう、評価規準や評価方法の教員間での明確化・共有化や、学年会や教科等部会等の校内組織の活用等、組織的かつ計画的な取組を行ったことで、国語と数学の全ての領域と事項で平均正答率が全国および全道を上回ったと考えられる

▽生徒一人ひとりに配備されたPC・タブレットなどのICT機器を授業で活用したことで、楽しみながら学習を進めることができると肯定的に回答した生徒の割合が全国と同じで、全道を上回ったと考えられる

【管内教育の重点(学力)】

▼「対話」を重視した授業改革

▽対話によって、全ての子どもが自らの考えと他者の考えの価値交換を行い活躍する授業改革の推進

▼ICTを有効に活用した授業改革

▽自らの考えをまとめ、表現し、他者との考えの価値交換の充実を図るICTの有効活用

▼誰一人取り残さない3層への確実な指導による授業改革

▽3層(伸びしろ層、中間層、定着層)の一人ひとりの子どもの状況を確実に見取り対応する質の高い指導の充実

【具体的な改善策】

▼「対話」を重視した授業改革

▽対話を通して、互いの考えの関連性を見いだす「価値交換」を行う授業改革を推進するため、学校経営面および授業実践面の両面から指導助言するとともに、対話を重視した授業改革の好事例をホームページに掲載するなど、授業改革のイメージの共有を図る

▼ICTを有効に活用した授業改革

▽「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させるため、子どもが互いの考え方の関連性を見いだす価値交換を「迅速」かつ「拡大」するICTを有効に活用した授業改革を進める

▼誰一人取り残さない3層への確実な指導による授業改革

▽伸びしろ層を「0」にするとともに、中間層を定着層にし、定着層をよりハイレベルな考えを持つことができるようにするため、3層の子ども一人ひとりの状況を確実に見取り対応する質の高い指導の充実を図る授業改革を進める

平均正答率の経年変化(数値は全国平均との差)

小学校

中学校

【学力向上策に関連した特色ある取組】

▼教育局の学力向上策の概要

▽対話によって、全ての子どもが自らの考えと他者の考えの「価値交換」を行い活躍する授業改革を推進

▽学校訪問によって学校経営面および授業実践面の両面から指導助言

▽対話を重視した授業改革やICTを有効に活用した授業改革の好事例をホームページに掲載

▽授業改革のイメージを共有

▼学力向上策に関連した特色ある取組

〈取組のポイントとその具体〉

▽恵庭市教委=市内全小・中学校を対象にした合同会議の実施

・市内小・中学校を対象に合同会議を実施し、各学校の授業改革の取組状況について実践発表を行い、取組の成果や課題を共有した

・全ての子どもが自らの考えと他者の考えの「価値交換」を行う質の高い対話を位置付けることができるかについて協議した

▽千歳市立みどり台小学校=「価値交換」を行う場面の設定

・授業に「価値交換」を行う場面を設定することを年度当初に確認した

・第1学年の国語では、自分の考えを整理したあと、互いに考えを伝え合い、課題解決に向けて積極的に取り組んだ

・第4学年の書写では、互いの考えの関連性を見いだした

▽当別町立とうべつ学園、石狩市立樽川中学校=ICTを活用した対話の場面の設定

・とうべつ学園において、自分の考えを端末に入力し、友達と互いに説明し合う場面を設定した

・樽川中において、生徒にとって必要感のある対話の場面を設定することで、生徒は課題意識を持って積極的に学習に取り組んだ

▼成果・課題

▽授業で対話を意図的に位置付けることで、子どもが自分の考えを他者に伝えるとともに、自分と他者との考えの相違点や同一点などの関連性を考えることができるようになってきた

▽子どもが活躍する子ども主体の授業のイメージを全ての教員が持つことができるよう、質の高い対話の具体について共有する機会を設けるなど、授業改革に向けた取組を継続する必要がある

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学力学習調査結果石狩小学校
平均正答率の経年変化 小学校(クリックすると拡大表示されます)
学力学習調査結果石狩中学校
平均正答率の経年変化 中学校(クリックすると拡大表示されます)

(道・道教委 2024-11-20付)

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