全国学力等調査北海道版結果④ 自立した学習者目指し ICT環境を効果的に活用
(道・道教委 2024-11-22付)

結果報告書管内取組事例胆振
苫小牧市立ウトナイ中。地域の学習塾と連携し学習をサポート

胆振

【分析結果】

▼小学校

▽管内全体で、自主的な目標設定や振り返り等をもとに自己調整しながら学習を進める取組の充実を図ったことによって、学習した内容について、分かった点やよく分からなかった点を見直し、つぎの学習につなげることができていると回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

▽1人1台端末を効果的に活用した学力向上の取組に係る事例発表を位置付けた研修会を実施するなど、管内全体で、ICT環境を適切に活用した授業改善や家庭学習の取組を推進したことによって、学習の中でPC・タブレットなどのICT機器を使用することで、自分のペースで理解しながら学習をすることができると回答した児童の割合および学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日1時間以上、PC・タブレットなどのICT機器を、勉強のために使っていると回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

▼中学校

▽教科の専門家を招いた授業改善研修会を実施するなど、管内全体で、育成する資質・能力を明確にした取組を推進したことによって、国語の勉強は好きと回答した生徒の割合および国語の授業内容はよく分かると回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

▽1人1台端末を効果的に活用した学力向上の取組に係る事例発表を位置付けた研修会を実施するなど、管内全体で、ICT環境を適切に活用した授業改善や家庭学習の取組を推進したことによって、授業でPC・タブレットなどのICT機器をほぼ毎日使用していると回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

【管内教育の重点(学力)】

▽子どもが自己調整しながら学びを進め、自立した学習者となるための指導方法の確立・共有・活用

▽自己存在感や自己有用感を高める取組の充実

▽家庭と連携した生活・学習習慣の確立に向けた取組の推進

【具体的な改善策】

▽「分かる」「できる」を実感し、勉強が好きな子どもを育むことができるよう、育成する資質・能力を明確にした指導とICT環境を適切に活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」の充実

▽ICT環境の効果的な活用による全ての子どもへの適切な支援の推進

▽主体的な目標設定や振り返り等をもとに自己調整しながら家庭学習を進める取組の充実

・管内EBE協議会のグループを活用した、指導主事による継続的な学校支援を行う

・胆振教育局コミュニティ「たんコミ」による、教員のニーズに応じた個別支援を行う

・授業公開や校種を越えた教員間の交流を位置付けた、ICT活用管内協議会を開催する

・授業公開および協議を行うとともに、元学力調査官の助言や講話を位置付けた、授業改善研修会を開催する

平均正答率の経年変化(数値は全国平均との差)

小学校

中学校

【学力向上策に関連した特色ある取組】

▼教育局の学力向上策の概要

▽主体的な目標設定や振り返り等をもとに自己調整しながら家庭学習を進める取組の好事例について、各種会議において情報発信

▽生活リズムを改善し学習習慣を身に付けることを目指した、子どもの望ましい生活習慣・学習習慣に係る研修会を実施

▼学力向上策に関連した特色ある取組

〈取組のポイントとその具体〉

▽登別市立登別中学校=生徒指導部と連携した学力向上の取組

・全国学力・学習状況調査の分析結果を学校全体で共有するとともに、学習習慣に係る課題について生徒指導部で具体的な方策を検討した

・義務教育9年間を通して、望ましい生活習慣や学習習慣を身に付けることができるよう、校区の小学校と連携して、課題を明確にした

・6年度は生徒が家族と一緒に、メディアに触れる時間を削減し、空いた時間を読書や家庭学習に充てるアウトメディア読書ウイークを実施した

・学習に係るメディアの使用は制限せず、ICTを効果的に活用した家庭学習の習慣化と生活リズムの改善とを両立しながら取組を進めた

▽苫小牧市立ウトナイ中学校=外部機関と連携した学習サポートの取組

・長期休業期間に、地域の学習塾と連携した学び直しの機会を設定した

・学習塾からは1日8人程度の講師が派遣され、自校の教員と共に、生徒の個別指導を行った

・その他、終業式に、生徒が教科担当教員に個別に相談ができる「学習相談会」を実施するなど、生徒が自分の課題を明確にし、主体的に学ぶことができるよう工夫した

・生徒は、様々な人から指導を受けることができ、自分に合った学び方に気付く機会にもなった

▼成果・課題

▽「学校の授業時間以外に普段(月曜日から金曜日)、1日当たり1時間以上勉強をする」と回答した児童生徒の割合が、小学校で全国および全道を上回るとともに、中学校で全道を上回るなど、家庭学習の習慣化が図られてきた

▽児童生徒がより一層自己調整しながら学びを進めることができるよう、授業改善と連動した家庭学習の取組について、好事例の普及や研究協議の場の設定等を進める必要がある

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学力調査結果胆振
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学力調査結果小学校
平均正答率の経年変化・小学校(クリックすると拡大表示されます)
学力調査結果中学校
平均正答率の経年変化・中学校(クリックすると拡大表示されます)

(道・道教委 2024-11-22付)

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