帯広柏葉高を文科省DXチーム視察 自立した学習支援評価 授業参観や実践発表など(道・道教委 2024-11-22付)
文科省DXチーム帯広柏葉高校を視察訪問
【帯広発】文部科学省のリーディングDXハイスクール事業の指定を受けている帯広柏葉高校(鈴木究校長)は10月下旬、文部科学省初等中等教育局GIGA StuDX推進チームの繁田華専門官らによる視察を受け入れた。これまで取り組んできた事業の実践内容を共有するとともに、授業参観や実践発表を通して、今後の事業の方向性を確認。繁田専門官は「ICT使用における格差がなく、自立した学習を支えるツールとして活用されている」と同校の取組を評価した。
同校は5年度から文科省「リーディングDXハイスクール事業」の指定を受け、本年度は生成AIパイロット校として取組を推進。パイロット校として、生成AIを効果的に活用した授業案の開発や情報活用能力の育成を図るとともに、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実や校務DXに寄与する取組の充実を図っている。
今回の視察は、文科省初等中等教育局GIGA StuDX推進チームと、同校の管理職・ICT担当教諭が事業に係る取組について意見交換を行うとともに、授業参観・実践交流を通して、事業の方向性について共通理解を図ることをねらった。
この日は、GIGA StuDX推進チームから繁田専門官、鹿島慎一指導主事、古川順子指導主事の3人、文科省初等中等教育局学校情報基盤・教材課から小泉武士課長補佐、若林崇之課長補佐の2人が同校を訪問。
また、道教委の洞防人主任指導主事や田野大介主任指導主事、十勝教育局の真野春香主任指導主事が随行した。
小林央教頭が同校の教育課程や進路実績、特徴などを説明したあと、山﨑広平教諭が同事業における実践内容を報告。本年度から国語、地歴、理科、英語、美術の5教科の授業者と校内外の伴走者、担当指導主事を一つのチームとして編成し、授業事例の創出に取り組り組んでいるプロジェクト内容を紹介した。
続いて、他府県の先進事例について情報を共有。このほか「生徒のタブレット端末の充電残量への配慮」「校内におけるネットワーク環境の整備」など、同校が抱える困り感を伝え、助言を求めた。
これに対し、視察者は「校内でタブレットを充電できる設備や安定したネットワークの提供は行政機関からの協力が必要不可欠。協力することで充実したICT教育の環境を実現してほしい」と答えた。
1・2年生の国語、理科、外国語、地理・歴史の4教科の授業を視察したあと、プロジェクトの授業者を務めるICT担当教諭5人との意見交換を実施。各授業者は、目指す生徒像や授業改善に向けた実践内容を報告したほか、より効果的な授業の実現に向けて意見を交わした。
このうち、美術科の担当教諭は、チャットGPTの活用について「生徒が制作した版画の下書きにアドバイスを求めたり、予想画の提出を求めたりとあくまで生徒を主体とした状態でツールとして活用していきたい」と述べた。
また、英語科の担当教諭は「文法添削においてチャットGPTと納得のいくまで会話を重ねるとともに、海外の方と直接的にやりとりすることで促進的なコミュニケーションを確立していく」などと授業の方向性を示した。
視察者は、同校の各授業実践について高く評価。美術科の授業内容については「生成AIによる不確かな情報を生成する現象“ハルシネーション”の心配がない」と評価した上で「生徒がAIを使って添削する際、AIに“高校生役”など、役割を与えることでより高校生に沿った具体的な回答が得られやすい」と助言した。
英語科の授業内容については「正解のない問いに対してICTをどんどん活用してほしい」とした一方で「会話の原稿化や失敗を恐れたり完璧さを求め過ぎたりと即興性・対話力の欠如には留意してほしい」と呼びかけた。
(道・道教委 2024-11-22付)
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