全国学力等調査北海道版結果⑫十勝 交流場面でICT活用 検証改善サイクル実質化・迅速化(道・道教委 2024-12-05付)
教科全体の状況
十勝
【分析結果】
▼小学校
▽多くの学校において、授業研究や事例研究等、実践的な研修を行ったことによって、国語の授業の内容はよく分かると肯定的に回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる
▽多くの学校において、児童同士がやりとりする場面では、児童一人ひとりに配備されたPC・タブレットなどのICT機器を使用させていることによって、友達と協力しながら学習を進めることができると肯定的に回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる
▼中学校
▽多くの学校において、生徒の姿や地域の現状等に関する調査や各種データなどに基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立していることによって、学習した内容について、分かった点や、よく分からなかった点を見直し、つぎの学習につなげることができていると回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったと考えられる
▽多くの学校で、授業において、生徒の様々な考えを引き出したり、思考を深めたりするような発問や指導をしたことによって、授業や学校生活では、友達や周りの人の考えを大切にして、互いに協力しながら課題の解決に取り組んでいると回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったとともに、国語の1領域3事項、数学の2領域で全国および全道を上回ったと考えられる
【管内教育の重点(学力)】
▼検証改善サイクルの実質化・迅速化
▽各種調査や学習評価による児童生徒の適切な実態把握に基づく検証改善サイクルの実質化・迅速化
▽各種調査や学習評価をもとにした、授業改善・家庭学習および読書活動の充実の検証・改善を図るスケジュールの明確化
▼交流場面の充実を図った授業改善
▽他者との交流等を通して、考えをまとめ、表現する場面において、ICTを活用した授業展開の工夫
▼家庭学習および読書活動の充実
▽家庭学習の目的の明確化、ICTを活用した児童生徒一人ひとりに応じた学習習慣の定着
平均正答率の経年変化(数値は全国平均との差)
小学校
中学校
【具体的な改善策】
▼検証改善サイクルの実質化・迅速化
▽教育委員会訪問や学校訪問、EBE協議会で「ほっかいどうチャレンジテスト」の活用について「第1四分位に満たない層の児童生徒への手だてを検討・実施」「年複数回、同集団の変容による取組の評価」の視点から指導助言する
▽ウェルビーイングの向上を見取るための指標と関連付けた検証改善サイクルの充実を図る
▼交流場面の充実を図った授業改善
▽「知識および技能等の身に付けたことを生かしながら、自分の考えをまとめる活動の重要性」「交流の視点の明確化と交流後に自身の考えを加筆・修正する場面の設定」「交流場面におけるICTの効果的な活用」「指導と評価の一体化による交流場面の充実」の視点から指導助言する
▼家庭学習および読書活動の充実
▽ICTを活用した家庭学習の充実を図るため、学校訪問等において「発達段階に応じた家庭学習の目的の明確化」「ICTを活用した、学習状況の視覚化等による家庭学習の自己決定の場面の設定」「授業との連動を図った家庭学習の充実」の視点から指導助言する
▽読書活動の充実については、社会教育指導班との連携による学校訪問等での学校図書館等の環境に係る指導助言を行う
【学力向上策に関連した特色ある取組】
▼教育局の学力向上策の概要
▽身に付けた知識・技能等を生かし、自分の考えをまとめる活動の重要性
▽交流の視点の明確化と交流後に自身の考えを加筆・修正する場面の設定
▽交流場面におけるICTの効果的な活用
▽指導と評価の一体化による交流場面の充実
▼学力向上策に関連した特色ある取組
〈取組のポイントとその具体〉
▽浦幌町立浦幌中学校=授業における個人解決や集団解決でのICT活用場面の設定
・生徒が自らの学び方を選択し、個別または協働的に学習を進めることができるよう、授業においてICT活用の場面を位置付けることについて全校で確認
・平方根の単元の終盤の授業では、ロイロノート(学習アプリ)に練習問題を配信し、生徒は、自身の進捗状況に応じて配信された解法を確認し、分からないことを教師に質問したり、友達に相談したりするなどして自分のペースで学習を進めた
・教師は、端末によって生徒の取組状況を確認するとともに、教室内を巡回し手だてが必要な生徒への支援を行った
▽芽室町教委=町内の小・中学校教員を対象にしたICT研修会の実施
・町教委は、町内の学校におけるICTを活用した授業実践を共有するとともに、教師同士が日常的なICT活用について相談し合う学習会を町教育研究所と共催で実施した
・町内の小・中学校4人の教師が講師となって実践紹介や模擬授業を行った。
・模擬授業を通して、参加者が個別最適な学びや協働的な学びの場面におけるICTを活用した学習活動を体験したことによって、端末の操作や有用性について理解が深まり、ICT活用や授業改善への意欲向上につながった
▼成果・課題
▽全国学力・学習状況調査の学校質問調査において、授業の様々な場面で1人1台端末を活用させたと回答した学校の割合が令和5年度の調査結果と比べて高くなるなど、各学校での教職員の1人1台端末の活用を通した授業改善の取組が進んできた
▽全国学力・学習状況調査の児童生徒質問調査から授業の様々な場面で1人1台端末を活用したと回答した児童生徒の割合が、全国や全道と比べて低い傾向にあることから、学校訪問等によって、生徒が日常的にICTを活用する良さを実感できるよう、具体的な授業場面における改善方策について指導助言を行う必要がある
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平均正答率の経年変化・小学校
平均正答率の経年変化・中学校
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