道フロンティアキッズ成果発表 目指すまちづくりへ提言 6小学校がSDGsの学び披露
(道・道教委 2024-12-05付)

 道は3日、北海道フロンティアキッズ育成事業成果発表会をオンライン形式で開催した。八雲町立熊石小学校など6校が、SDGsの視点から学んだ地域の魅力や課題解決の方策について発表。目指すまちづくりのため自らができることを行動宣言としてまとめ、意見交換を通して交流を深めた。

 同事業は3年度から開始。地域の環境の良さや問題点への気付き、地域貢献への芽生えを促し、地域コミュニティーをけん引する持続可能な社会のリーダーとなる人材の育成を目的としており、道内の多くの企業等が協賛・支援している。

 本年度は八雲町立熊石小、上士幌町立上士幌小学校、中富良野町立中富良野小学校、稚内市立稚内港小学校、遠軽町立安国小学校、釧路市立青葉小学校の6校の5・6年生が参加。児童たちは設定したテーマに基づき、まちの環境の良さや問題点を協議したほか、市役所・役場への訪問、自然観察、地域住民へのインタビューなどを行い当日に臨んだ。

 開会に当たり道環境生活部環境政策課の久保貴司課長は、新分野を開拓するフロンティアの意味を踏まえ「皆さん自身の将来、地域の未来を力強く切り開いてほしい」と期待した。

 続いて熊石小がまちの魅力を発信するため制作したPR動画を披露。温泉熱を活用したアワビの養殖など地元関係者へのインタビューの様子も交えながら地域の産業を紹介した。海水からとれる「にがり」を使った化粧品の開発も提案し、地域にとって重要な資源である海洋環境を保護する必要性を訴えた。

 上士幌小は除雪業者の確保、ごみ処理問題、災害時に独居老人を助ける方法などを発表。「SDGsを通して上士幌の災害を知ることができた。課題はあるが、現状を把握しながら自分たちができることをしていきたい」と語った。

 稚内港小は「人にやさしいまちづくり」をテーマに視覚障がい者のための工夫や地域ボランティアの役割を取り上げ、福祉のまちづくりに向けた行動宣言を発表した。

 発表後は意見交換を実施。互いの地域の特徴や魅力、発表内容で分からなかった単語などを質問し合った。

 道SDGs推進人材バンク講師の奈須憲一郎氏は1人1台端末を使いこなす子どもたちの力をたたえるとともに、情報の真偽を見極める力の重要性を伝え「抱いた疑問をぜひ、大人にぶつけてほしい。対話を深めればきっと世の中は良くなる。きょうよりもあすが良くなるよう力を合わせていこう」と呼びかけた。

(道・道教委 2024-12-05付)

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