新しい学び授業力指定の森町が研修会 子の主体的な学習促進 森小6年算数 端末活用し
(道・道教委 2024-12-09付)


 【函館発】道教委「新しいかたちの学び授業力向上推進事業」に指定されている森町は11月下旬、森小学校(伊藤明彦校長)で成果普及研修会を開いた。町内外から教育関係者ら約80人が参加。公開した3授業のうち、6年生算数科では端末やアプリケーションを効果的に活用し、学習形態の柔軟な選択肢を与えて児童の主体的な学習を促す授業を展開した。

 森町は5年度から道教委「新しいかたちの学びの授業力向上推進事業」の推進地域に指定され、小学校を中心に効果的なICT活用の実践を積み重ねている。指定2年目を迎え、連携校に七飯町立峠下小学校が加わった。

 推進教員配置校2校のうち森小では、研究主題を「よさを認め合い、学び続ける子どもの育成を目指した授業づくり~ICTの効果的な活用を通して」と設定。知識・技術の確実な定着とともに、対話を意識した授業づくりに励んでいる。

 この日、1年生国語科、3、6年生算数科の授業を公開。いずれの授業も1人1台端末やアプリケーションを活用して、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に図るよう展開した。

 6年生算数科「比例の関係についてくわしく調べよう」(中村匡志教諭、児童数29人)では、前時までに学習した比例の関係から具体的な数量を求める方法を生かし、表や式を用いて問題解決の過程を説明することを目標に掲げた。

 問題は「画用紙300枚を、全部数えないで用意する方法を考えよう」。中村教諭は実物を用意し「画用紙の枚数に伴って変化すること」を発問。重さや厚さなどの児童の回答に沿って、今回は「重さ」に焦点を当てることを伝え、枚数と重さの対応表を示した。

 問題や対応表は1枚のワークシートとして、手書きノートアプリ・Goodnotesで児童の端末に共有され、児童たちは自由に思考過程を書き入れながら考えを深めた。学習形態は柔軟に選択でき、個人やグループ、教員と共に考えるなど、児童が自ら環境を選んで学習。中村教諭は机間指導の中で「解き方は一つではない」「前にパドレットで共有したことが参考になるかも」など、それぞれの主体的な学びを支えた。

 発表に移り、児童の端末画面を大型モニターに映した。児童は対応表への書き込みを示し、根拠を明確にして説明。対応表の見方や数値の使い方など、異なる考え方を共有した。 

 中村教諭は3通りある考え方のうち残る一つの解答に向けてヒントを提示。児童たちは早速取り組もうと表を見返すなど、積極的に挑戦した。

 めあてを再確認し、振り返りの観点を共有した上で、児童たちはオンライン掲示板アプリ・パドレットに学習のまとめを記入。最後に、同じ問題で「厚さ」に着目した対応表から解き、学習の定着を図った。

◆研究発表・協議も

 このあと、森小学習指導部による研究発表、推進教員による実践発表、研究協議などを展開した。

(道・道教委 2024-12-09付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委 日本語指導在り方検討 研究実践校を指定へ 加配教員配置校対象に研修会

 道教委は今後、日本語指導におけるより実践的な指導の在り方を検討するため、研究実践校を指定する方針を示した。9日の4定道議会予算特別委員会で檜垣尚子委員(自民党・道民会議)の質問で明らかにし...

(2024-12-11)  全て読む

オホーツク局 SKGプロジェクト 地域連携の在り方探る 津別高や紋別市CSが発表

 【網走発】オホーツク教育局は11月26日、教育局の独自事業「教員育成産官学連携プロジェクト(SKGプロジェクト)」の第4回地域連携オンライン研修会を実施した。地域連携の実際について、津別高...

(2024-12-10)  全て読む

大学3年等対象の特別選考 実施時期の前倒し検討 道教委 道内大学に提案へ

 道教委は、大学3年生も受検できる公立学校教員採用選考検査特別検査(教養検査)の実施時期の前倒しを検討している。12月からさらに6ヵ月前倒しすることで、例年6月の本検査と合わせて実施すること...

(2024-12-10)  全て読む

子の学びICT機器活用へ道教委 1月10日講演・体験会 現場で役立つアイデア発信

 道教委は来年1月10日、札幌視覚支援学校で子どもの学びにICT機器を活用するための講演会・機器体験会を開催する。ソフトバンク㈱と東京大学先端科学技術研究センターが実施する「魔法のプロジェク...

(2024-12-10)  全て読む

道教委 7年度予算概算要求 歳入・歳出の見直し強化 学力・体力向上、不登校対策等当面の課題に対応

 道教委は7年度予算概算要求の基本方針を5日の教育委員会で決定した。基本的事項では、歳入・歳出の見直しを一層強化することを基本とし、学力・体力の向上、不登校やいじめ対策、ICTを活用した教育...

(2024-12-09)  全て読む

全国学力等調査北海道版結果⑬釧路 「よく分かる」割合向上へ 端末で授業改善 探究過程充実も

釧路 釧路 【分析結果】 ▼小学校 ▽多くの学校で、児童同士がやりとりする場面で、児童一人ひとりに配備されたPC・タブレットなどのICT機器を使用させたことによって、国語の授業はよく分かると...

(2024-12-06)  全て読む

情報発信プラットフォーム構築へ 道教委とnoteが協定 道立256校等でアカウント開設

道教委とnote㈱連携協定  道教委は4日、あらゆる人の情報発信のサポートをを提供するnote㈱と道立学校の情報発信プラットフォーム構築に関する連携協定を締結した。同社のメディアプラットフォーム「note」を活用し、道...

(2024-12-06)  全て読む

道実践的安全教育モデルの上ノ国町 通学路マップ 危険個所を確認 上ノ国小拠点に全町的取組

 【函館発】道教委「北海道実践的安全教育モデル構築事業」に指定されている上ノ国町は、上ノ国小学校(=川聖校長)を拠点校に、交通安全に向けた全町的な取組を進めている。2小学校の児童による通学路...

(2024-12-06)  全て読む

全国学力等調査北海道版結果⑫十勝 交流場面でICT活用 検証改善サイクル実質化・迅速化

十勝 十勝 【分析結果】 ▼小学校 ▽多くの学校において、授業研究や事例研究等、実践的な研修を行ったことによって、国語の授業の内容はよく分かると肯定的に回答した児童の割合が全国および全道を上...

(2024-12-05)  全て読む

道フロンティアキッズ成果発表 目指すまちづくりへ提言 6小学校がSDGsの学び披露

 道は3日、北海道フロンティアキッズ育成事業成果発表会をオンライン形式で開催した。八雲町立熊石小学校など6校が、SDGsの視点から学んだ地域の魅力や課題解決の方策について発表。目指すまちづく...

(2024-12-05)  全て読む