全国学力等調査北海道版結果⑬釧路 「よく分かる」割合向上へ 端末で授業改善 探究過程充実も
(道・道教委 2024-12-06付)

釧路
教科全体の状況

釧路

【分析結果】

▼小学校

▽多くの学校で、児童同士がやりとりする場面で、児童一人ひとりに配備されたPC・タブレットなどのICT機器を使用させたことによって、国語の授業はよく分かると回答した児童の割合が全国および全道を上回ったとともに、国語の平均正答率が全国および全道を上回ったと考えられる

▽指導計画の作成に当たっては、教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域の外部人材の資源を含めて活用しながら効果的に組み合わせたことによって、総合的な学習の時間では、自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んだと回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

▼中学校

▽多くの学校で、生徒同士がやりとりする場面では、生徒一人ひとりに配備されたPC・タブレットなどのICT機器を使用させたことによって、学習の中でPC・タブレットなどのICT機器を活用することについて、友達と考えを共有したり比べたりしやすくなると回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

▽指導計画の作成に当たっては、教育内容と、教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源を含めて活用しながら効果的に組み合わせるとともに、習得・活用および探究の学習過程を見通した指導方法の改善および工夫を行ったことによって、総合的な学習の時間では、自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んだと回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったと考えられる

【管内教育の重点(学力)】

▼検証改善サイクルの充実など、カリキュラム・マネジメントの推進

▼ICTを活用した個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実

▼総合的な学習(探究)の時間など、子どもを軸とした地域と学校の連携・協働の推進

平均正答率の経年変化(数値は全国平均との差)

小学校

中学校

【具体的な改善策】

▼検証改善サイクルの質的向上

▽義務教育指導監、指導主事による指導助言等によって、学力向上に係る学校課題の改善に向けた方向性と具体策を明確化することを通して、学力向上に係る取組の市町村および学校の自走を促すとともに、探究の過程を積極的に取り入れた授業の日常的な実施に向けた検証改善サイクルの確立を図り、平均正答率および授業の内容はよく分かる、と回答する児童生徒の割合の向上を目指す

▼個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実

▽各教科等における適切な指導と評価の計画や、児童生徒に学びを委ねること等への教員の理解を深めることを通し、1人1台端末を活用して、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させた「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善の推進を図り、授業において、児童生徒が自ら課題を設定し、その解決に向けて話し合い、表現するなどの学習活動を取り入れる学校の割合の向上を目指す

▼社会に開かれた教育課程の実現と総合的な学習の時間を中心とした探究の過程の充実

▽教育局主催の研修等を通して、各教科等の学習と総合的な学習の時間を往還させながら社会で生きて働く資質・能力を育成することの重要性や、探究して学ぼうとする児童生徒の姿勢を育むことに向けた取組への教員の理解を深めることを通して、各教科等における探究の過程の充実を図る

【学力向上策に関連した特色ある取組】

▼教育局の学力向上策の概要

▽各学校における探究の過程を積極的に取り入れた授業の日常的な実施に向けた「検証改善サイクルの質的向上」「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」「社会に開かれた教育課程の実現と総合的な学習の時間を中心とした研究の過程の充実」の三つの改善策を一体的に推進

▼学力向上策に関連した特色ある取組

〈取組のポイントとその具体〉

▽各教育委員会=学力向上の検証改善に向けたオンライン相談等の活用

・釧路局主催の市町教育委員会指導主事を対象とした研修会において「令和の日本型学校教育の実現に向けたPDCAサイクルの充実」を支援する学校教育指導の指導助言の方向性を共有した

・5~7月に実施した学校教育指導において、釧路局と共有したつぎの授業改善の視点をもとに、域内の学校と学力向上に向けた取組の進捗状況と改善の方向性を共有した

・課題の改善に向けた取組の充実に向けて、域内の学校に対し、オンライン相談を活用するよう促した

▽厚岸町立真龍中学校=釧路管内ASIRU LDXネットワークを活用した定期的な相談機会の設定

・個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を校内研究のテーマとする学校で構成する釧路局独自の組織「釧路管内ASIRU LDXネットワーク」において、参加校の真龍中は、自校の授業改善に向けて①学力向上に向けた検証改善サイクルの進捗状況の確認②各教科等の指導に「探究の過程」を位置付けることなど、組織的な取組の充実に向けた手だての明確化―の2点の内容でオンライン相談を活用した

・オンライン相談を経て、真龍中は、参加校同士の協議において、グーグルジャムボードを活用し、探究の過程の充実に向けて、当該単元で育成を目指す資質・能力の明確化や指導と評価の計画、学習者にとって解決する価値のある学習課題の設定などの重要性を再確認し、今後の授業改善の重点として設定した

▼成果・課題

▽教育委員会、学校および教育局が学力向上に向けた方向性を年度当初に共有するとともに、各学校における取組について継続的に相談できる機会を設定したことによって、学校の検証改善サイクルの質的向上が図られてきた

▽各学校の学力向上に向けた取組のさらなる改善を図ることができるよう「ASIRU LDXネットワーク」の組織を管内全域に広めるなど、教育局と各学校がつながりやすくなる体制を整備する必要がある

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小学校
平均正答率の経年変化・小学校
中学校
平均正答率の経年変化・小学校

(道・道教委 2024-12-06付)

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