全国学力等調査北海道版結果⑩宗谷 端末活用し授業改善 検証改善サイクルの確立へ(道・道教委 2024-12-03付)
教科全体の状況
宗谷
【分析結果】
▼小学校
▽各学校の国語の授業において、目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりするなど、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫して文章を書くことができるような指導を行ったことによって、各教科などで学んだことを生かしながら、自分の考えをまとめる活動を行ったと肯定的に回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる
▽各学校の算数の授業において、具体的な物を操作するなどの体験を伴う学習を通して、数量や図形について実感を伴った理解をする活動を行ったことによって、算数の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思うと肯定的に回答した児童の割合が全国および全道を上回ったとともに、算数の「図形」の領域で平均正答率が全国および全道に最も近くなったと考えられる
▼中学校
▽各学校の国語の授業において、説明的な文章を読み、目的に応じて必要な情報に着目して要約し、内容を解釈することができるような指導を行ったことによって、国語の授業で説明的な文章を読み、目的に応じて必要な情報に着目して要約し、内容を解釈していると肯定的に回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったとともに、国語の「読むこと」の領域で平均正答率が全国および全道に最も近くなったと考えられる
▽各学校の数学の授業において、実生活における事象との関連を図った授業を行ったことによって、数学の授業で学習したことを、今後の学習で活用しようと思うと肯定的に回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったとともに、数学の「データの活用」の領域で平均正答率が全国および全道に最も近くなったと考えられる
【管内教育の重点(学力)】
▼短期的、客観的な学力の状況把握と取組の改善
▼「授業改革に向けた“5つのポイント”」を踏まえた「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実
▼自立した学習者を育てるための継続的な学びの環境づくりの推進
平均正答率の経年変化(数値は全国平均との差)
小学校
中学校
稚内市立潮見が丘中の数学の授業における個人解決の場面
【具体的な改善策】
▼検証改善サイクルの確立
▽管内学力保障会議とEBE協議会の関連を明確にし、教育局、市町村教委、学校が一体となった取組を推進する
▽管内学力保障プランの目標指標の結果を踏まえた各学校の学力向上策の検証および指導方法、指導体制の工夫改善を図る
▼授業改革の推進
▽管内の授業改革推進会議(各市町村の小1人・中国、中数各1人)を計画的に実施し、全国調査等の結果に基づく改善方策等の協議および各市町村での普及を行う
▽1人1台端末の活用による「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に関するオンライン研修を計画的に実施する
▼家庭・地域、学校間の連携の推進
▽管内の英語教育接続会議(各市町村の小・中各1人、高校1人)を計画的に実施し、英語教育を核とした教育課程の円滑な接続を図る
▽管内学力保障プランの結果の公表および保護者向け資料の作成と普及を行う
【学力向上策に関連した特色ある取組】
▼教育局の学力向上策の概要
▽各市町村の小学校教員、中学校の国語担当教員、数学担当教員の代表者を構成員とする「授業改革推進会議」を組織し、定期的に会議を開催して国語、算数・数学の授業改善に向けた方策等を協議
・1回目の会議(5月)では、ICT端末を活用した「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に向けた協議
・2回目の会議(8月)では、全国学力・学習状況調査結果を踏まえた今後の改善策について協議
・3回目の会議(11月)では、各学校における実践成果の交流
・4回目の会議(2月)では、次年度の方策等について協議
▼学力向上策に関連した特色ある取組
〈取組のポイントとその具体〉
▽個人解決や集団解決でのICT活用場面の設定(稚内市立潮見が丘中学校)
・第2学年の数学の授業において、1人1台端末を活用した個人解決や集団解決の場面を位置付けた
・個人解決の場面において、生徒は、解決方法が思い付かない場合には、端末を活用し、他者の考えを参考にするなどして自分のペースで学習を進めることができた
・教師は、ICT端末に提出された個人解決の結果をもとに、解決のポイントや新たな課題等を提示するなど、生徒一人ひとりの学習状況に応じた支援を行った
▽全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた授業改善(稚内市立稚内南中学校)
・全国学力・学習状況調査の結果から「目的に応じて必要な情報に着目して要約することができるかどうかをみる問題」において課題が見られたことから、第2学年の「文章の構成や論理の展開について考える」学習において、ICT端末を活用し、集めた情報を観点に沿って比較、分類、関係付ける学習活動を位置付けた
・生徒は、端末を活用し、必要な情報に着目して表にまとめるとともに、筆者の論理の展開について、「効果」や「説得力」という観点で自分なりの考えを整理し、話し合うことができた
▼成果・課題
▽小・中学校の教員間のネットワークを構築し、国語、算数・数学の授業改善に向けた方策等を共有したことによって、質の高い授業づくりに向けた意識が高まり、各地域において授業改善が進められてきた
▽「授業改革推進会議」に参加した教員が各地域において、国語、算数・数学のリーダーとして活躍できる環境づくりを支援するとともに、各教員が実践した成果等を管内に広く周知し、各学校の授業改善に確実につなげていく必要がある
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平均正答率の経年変化・小学校
平均正答率の経年変化・中学校
(道・道教委 2024-12-03付)
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