旭川市 いじめ再発防止策 「包括的性教育」開始へ 専門人材起用し体制整備(市町村 2024-12-09付)
【旭川発】旭川市は5日、市総合庁舎で開いた第2回市総合教育会議で、いじめの重大事態に係る再調査結果を踏まえた再発防止対策を決定した。精神科医や警察官経験者らを活用して専門的知見を活用できる体制を新たに整備するとともに、人権・性の多様性を尊重する「包括的性教育」の開始など今後の方向性を示した。
いじめが原因で自殺した中学2年生(当時)の女子生徒の事案を受け、市教委の第三者委員会と市の再調査委員会が示した再発防止策の提言を踏まえて作成したもの。
再発防止対策は新規5事項、強化3事項、継続9事項の計17事項。市長部局、教育委員会、学校が一体となって「旭川モデル」による再発防止対策を推進する。
児童生徒を対象とした取組では、7年度から人権・性の多様性を尊重する「包括的性教育」に係る取組を推進するほか、動画教材を活用した情報モラル教育を家庭と連携して進める。
精神科医や警察官経験者ら専門性を有する人材を起用し、専門的知見を求めることのできる体制を整備。不登校となっている被害児童生徒等への社会的自立支援の対策も実施する。
教職員の対応力向上に向けた取組をみると、7年度に性的ないじめ・性暴力事案に対する危機対応マニュアルを作成し、各学校の教職員研修で活用を図る。心理士を講師とした研修会も開催し、児童生徒等への聴取方法を周知する。
また、いじめの特質や事案の背景を踏まえた対処、児童生徒間の謝罪に係る対応の徹底を図る教職員研修を強化。学校訪問等を通じた学校いじめ対策組織の体制や対応の改善充実に向けた指導助言を継続して行うことも示した。
会議で今津寛介旭川市長は「全国のいじめ問題解決に向けた先進的な役割を果たしていきたい」と決意を示した。
(市町村 2024-12-09付)
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