中札内中 性の多様性対応で8年度 ジェンダーレス制服導入 購入費は村教委が全額助成
(市町村 2024-12-03付)

中札内中・8年度からジェンダーレス制服導入
中札内中・8年度からジェンダーレス制服導入

 【帯広発】中札内村立中札内中学校(森英樹校長)は、性の多様性に対応するとともにダイバーシティ社会の推進に向けて、8年度から性別にかかわらず選べるジェンダーレス制服を導入する。導入に当たり8~10年度の期間、5学年分の制服購入費用を中札内村教委が全額助成。男女共にスカート・スラックスが着用でき、性的自認に合わせた制服を着用することが可能になる。

 近年、性的自認に応じて制服のスタイルを選択できる制度の導入が広がっている。村教委では、性の多様性に応じた学校づくりを目指し、5年度に制服選択制の導入に向けた検討組織を設置。また、性の多様性について理解を促すため外部講師によるジェンダー教育を推進してきた。

 8年度に導入を予定する新たな制服はジェンダーレス化に向けてブレザーを採用。男女共に、ネクタイおよびリボン、スカートおよびスラックスを選択することができる。新制服のデザイン案は村文化創造センターで展示。スカートやリボンの柄などについて保護者や地域住民、新制服を着用する予定の小学生からの意見を集めている。新制服のデザイン案を見た地域住民からは「かわいい。こんなを制服着てみたかった」などの声が上がった。

 新制服の導入に伴い、8~10年度における制服購入費用を村教委が全額助成する。在校生を含む新入学生5学年分の制服費用を負担することで、既存の制服を譲り受けることを予定していた家庭等にも対応していく。

 性の多様性について講演を行ったトランスジェンダー当事者であり、性的マイノリティーへの理解を深める講演活動を行う道議会議員の渕上綾子氏は「トランス女子がスカートを着用する場合に届け出が必要だったり、スラックス導入の経緯が防犯・防寒目的だったりとジェンダーレスの趣旨を理解していない制服更新を目にすることが多いが、中札内村における新たな制服の導入は趣旨を捉えた取組」と高く評価した。

 村教委は「制服の導入が先行することのないようジェンダーレスの思想に関わる講演会を子どもたちや保護者、地域住民等に向けて実施し啓発活動を行ってきた。新制服はダイバーシティ社会実現の一助になれば」との考えを示した。

(市町村 2024-12-03付)

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