札幌市立高学校間連携「ミラスキ」　起業のアイデア披露　漫画などテーマに成果発表

（札幌市 2024-12-13付）

　札幌市立高校８校の生徒たちが起業のアイデアを発表する学校間連携指定事業「ミラスキ」の最終成果発表会が８日、北海道大学で開かれた。生徒２６人が漫画や旅行など関心のあるテーマをもとに考えたビジネスアイデアを起業家の前で提案した。

　「ミラスキ」は、ＳＴＡＲＴＵＰ　ＨＯＫＫＡＩＤＯ実行委員会から委託を受けた（株）コエルワが、市立高校８校の生徒たちを対象に実施するアントレプレナーシップ教育のプログラム。

　生徒たちは興味のあるテーマを大枠で設定。学校の垣根を越えて「自然」「漫画」「ファッション」「教育」「旅行」「音楽」の６グループに分かれ、オンラインや対面で計５回打ち合わせを重ねてきた。

　本年度は新たに、ビジネスアイデアを実証するための実証支援金５万円を支給。各グループでは、ビジネスプランに説得力を持たせるために実践検証した。

　「漫画」がテーマのグループでは、結婚のなれ初めを漫画で表現できるビジネスを提案。企業名をフランス語で架け橋と表す「ｒａｐｐｏｒｔ」とし、漫画家と利用者の仲介業務を展開する案を発表した。

　実際の漫画家と結婚を控える教員を仲介し、漫画を制作する実践検証の結果も披露。生徒は「独自性を出したいというニーズが高いウエディングに注目し、結婚式場に案件を依頼することで利益を上げられるのではないか」と提案した。

　審査員を務めた起業家らは「デジタルの普及によって、現代は漫画家を職業とする人々が増えている。漫画家としてもニーズが高いと思う」と賛同。「検証数を１０人以上で行うとより説得力のあるプランになる。トライアルとして依頼し、データをまとめると良いのでは」などの助言もあった。

　「旅行」をテーマとしたグループでは、札幌に来る観光客向けの衣類オーダーショップ事業を提案。「１日前でも事前予約ができる」「貸し出し・返却場所を札幌駅とすることで荷造りの負担が減る」などユニークなビジネスアイデアを発表した。

　啓北商業高１年の秋野二葉さんは「アイデアを固めるまでの過程は想像以上に大変だったが、社会に出ることのイメージを実感できた」と笑顔を見せた。

　学校間連携指定事業「ミラスキ」は次年度も実施する予定。

(札幌市 2024-12-13付)