札幌市教委　算数学びｂｅｙｏｎｄ　試行錯誤できる授業　円山小　ＡＡＲサイクルで

（札幌市 2024-12-17付）

３年生

　札幌市教委が本年度開始した算数学び「ｂｅｙｏｎｄ」プロジェクト事業。研究推進校として実践を積み上げている円山小学校（平澤淳志校長）で１２日、公開授業が行われた。ＡＡＲサイクルを通して「試行錯誤できる授業」の実現を目指した３年生と５年生の２授業を展開した。

　事業は、算数にーごープロジェクトでこれまで培ってきた取組を基盤に、課題探究的な学習を子どもの視点で捉え直したもの。「学びのコントローラーをもっているのは子ども自身」をコンセプトに、算数における子ども一人ひとりの主体性を大切にした多様な学びの実現を目指す。

　効果的な実践事例を創出しようと、本年度市研究開発事業の研究課題の一つに設定。円山小、宮の森小学校、簾舞小学校の３校が実践を進めている。

　円山小は、ＡＡＲサイクルの学びで目指す授業像を「試行錯誤できる授業」と掲げ、授業づくりを推進している。

◆３年　三角形

　３年５組「三角形」（岩崎弘晃教諭）では、円の性質を生かして二等辺三角形や正三角形を作図する活動を展開した。

　岩崎教諭はイントロダクションの場面で「円周上に２点をとる。中心と２点を結ぶと、どんな図形ができるか」と問題を提示。指名された児童が黒板の前に立ち、岩崎教諭と共に円周上にランダムに点を打った。

　３点を結んでできた図形について予想を立てさせると「ただの三角形だと思う」「円の中心からの長さ（半径）は全て同じだから二等辺三角形」などの意見が出た。コンパスを使って長さを図ると、円の中心から伸びる２辺が等しく、二等辺三角形であることが確認できた。

　もう一度ランダムに点を打ち作図すると、再び二等辺三角形が完成するという結果に。岩崎教諭が「二等辺三角形以外は作れないのかな」と問いかけると、児童から「正三角形も作れるよ！」「直角三角形もできる！」などの声が上がった。

　個別探究、協働探究の場面に移り、様々な図形を作図した。「ノートのマス目を使って直角三角形を作った」「コンパスで円の中心からの長さを図り、３辺が等しくなるように２点を打つと正三角形ができる」などの方法を交流。円の半径に注目すると様々な三角形が作図できることに気付かせた。

◆５年　面積　平行四辺形

　５年１組「四角形や三角形の面積」（三國将広教諭）では、平行四辺形の面積を求める活動を設定。図形を分解したり動かしたりするなど、既習の面積の公式をもとにするという見方・考え方を働かせながら答えを導き出す姿を目指した。

　三國教諭はイントロダクションの場面で、底辺が６㌢㍍、高さが５㌢㍍の長方形を提示。この長方形が徐々に平行四辺形に変化する様子をテレビに映し出し「面積は変わる？変わらない？」と問いかけた。ＩＣＴを活用して問題を提示することで、課題を自分事として捉えられるようにした。

　児童の予想は「変わらない」が大多数。「ただ図形を傾けただけでは面積は変わらない」「辺の長さが一緒だから」といった意見が出た。

　これを踏まえ「平行四辺形の面積を求めよう」と課題を提示し、底辺６㌢㍍、高さ４㌢㍍の平行四辺形が書かれたシートを配布。個別探究、協働探究の場面に移った。

　児童たちは、図形をはさみで切り離したり、印をつけたりしながら試行錯誤。「図形の一部を切り取って移動させると長方形にできるよ」「（３×４÷２＝）１２平方㌢㍍の三角形が四つあるという考え方で解いた」などの考えを交流した。

　三國教諭は「この長方形の高さは何㌢㍍だろう」「（式の中にある）３×４÷２はどの図形のことだろう」と問い返すなど、構成要素に目を向けさせる関わりを心がけた。長方形や三角形など既習の面積の求め方が活用できることに気付かせた。

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５年生

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